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インドにある工房で手作り製本。1681/5000部の限定絵本

| 2016年07月23日 00:00 | 吉村正臣 |

SUNITA  スニタ(インド)

JA VAIS T’AVALER TOUT CRU!
「丸ごと、飲みこんじゃうぞ!」
~インド・ラジャスタン州のお話より~

tout cru表紙

フランス語  翻訳付
出版社:ACTES SUD JUNIOR
■限定5000部印刷されたうちの、1681作目

インド・チェンナイにある工房で手作り製本された限定5,000部の絵本です。
ミーナ部族の女性アーティスト・スニタが、地元ラジャスタン州に伝わるお話を、指に絵の具をつけて描きました。部族に伝わるマンダナという画法は、女性だけに伝承され、建物の壁や床に指で描くそうです。今回はクラフト紙に描き、シルクスクリーンで再現しました。

ミーナ部族の女性たちによって、よく描かれるのが、おなかの中に子どもが入った女性の姿。その絵にヒントを得て、動物のおなかに、別の動物が入っていたら…と考えたのが、この絵本誕生のきっかけだそうです。イラストレーターのスニタがこどものころ、おじいさんから聞いた「あらゆる動物を飲み込む、ずるがしこいジャッカルの話」をもとに、物語が生まれました。

ざらっとした手触り感のある用紙を使った本。各ページが糸で綴じられ、めずらしい製本です。絵は、特別につくられたクラフト用紙の茶色地に、白と黒でシンプルに素朴に描かれています。用紙の色は、村の土作りの家の壁の色を思わせ、白は、石灰を指につけて描いています。小さな点や線も指です。筆は使われていません。若い作家の伝統画を、現代の製版技術を使ってよみがえらせた絵本です。
動物たちが描かれた土の家が並ぶインドの村を思い描いてください。

≪翻訳の一部≫  翻訳:泉 りき

ある日のこと、ジャッカルは空腹だった。
だけど獲物を探しに行くなんて、面倒。そんなタイプだった。
生来のずるがしこさで、友だちのツルを訪ね、こんなことを言った。
「キミには、つりの才能があるよ。そんなキミでも、一回で十二匹の魚を捕まえるなんて、できっこないでしょ」
「十二匹?大したことないわ」ツルは断言し、すぐに飛び去った。

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