ヨーロッパの一流イラストレータ イタリア、フランス、ベルギー、ドイツで活躍中のアーティストを紹介
   
 

赤で表現された、深味のある秀作

| 2003年08月21日 17:51 | 吉村正臣 |

Stéphane Girel (フランス)
ステファン・ジレル

「Les rouges et les noirs」
赤と黒

ste1 フランス語

赤い絵の具の色がキレイで、とても印象的だったから購入しました。白場を十分計算して大胆に使い、中世のお城や騎士がデフォルメされて描かれます。それが、暖色系、深いオレンジ色を基準に、濃い茶色に近い赤、そして、影になる部分の黒も、赤の絵の具をたっぷり含んでいます。また、地の白い面には、赤のパステルが薄く塗られ、色彩統一された、美しい画面を作っています。立体感をもたせた構成がしっかり作られた上で、同色系の淡彩絵の具を手際よく塗っているので、とても安定感のある絵になっているのでしょう。無駄のないうまい絵です。物語が「赤と黒」と言うところから、この色合いが企画時からあったのでしょうが、絵の具の使い方、単色時の処理の仕方など、お手本になる描き方でしょう。テキストのレイアウト時にも、文字を赤に、黒に、黒の際に最初の1文字だけ赤にするなど、細部にまで気配りがあります。
作者は、1970年、フランス生まれです。

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