ヨーロッパの一流イラストレータ イタリア、フランス、ベルギー、ドイツで活躍中のアーティストを紹介
   
 

2006年「ボローニャ国際絵本原画展」に入賞した
ヴァレリオ・ヴィダリとブリジット・スジーニが参加!

| 2006年06月10日 16:06 | 吉村正臣 |

ヴァレリオ・ヴィダリ作品
ブリジット・スジーニ作品

●ヴァレリオ・ヴィダリ(イタリア・男性)

2004 年に、多くの著名なアーティストを輩出した、ミラノのヨーロッパデザイン学院を卒業した若者です。ですが、続々と国際展に入賞しています。日本のイラストレーションの概念からは、少し遠いかもしれません。むしろ、版画的な作品でしょう。
平面的なシンプルな画面に、単純な画像が配置されています。平面的シンプルさが、版画のように感じさせるのでしょう。よく見ると、絵の具やパステルで塗り込まれています。画面に深みを与えています。
ドラマティックな物語性はありません。絞り込んで凝縮したストーリーを、一瞬にして見せています。静かな画面から、美しく響くように伝わってきます。時に不気味に、恐ろしく聞こえます。
見る私の想像力を無性にかきたたせる絵でもあります。多くを語らなくても、鋭く伝わることもある、典型的な作品でしょう。
ヨーロッパの国際展で高評価を受けるのも納得できます。原画をお見せできなく、大変残念な作家です。

ヴァレリオ・ヴィダリ作品

●ブリジット・スジーニ(フランス・女性)

宝石や靴などファッションの世界でデザインやイラストレーションを制作していたベテランですが、子どもの絵本にも描いています。 パリの本屋さんで、奇妙な絵本を見つけて注目していました。その絵本と同じような作品がボローニャに展示されていました。
彼女のプロフィールが届いて、奇妙さ?がわかったような気がしました。 描かれた植物や小動物がたいへん個性的。なまめかしい感じがします。前述しました“奇妙”なのです。面相筆を使ったような精密な線、ディテールにこだわった木々や葉、存在感があります。
これは、オリジナリティが必要な宝石や靴のデザインから、また石や金属、皮、羽毛などにふれた経験から生まれた異様な着想が、彼女の独自性となって、見る者をとらえるのでしょう。
人物表現も、おもしろい表現があります、が、私は、気持ちの悪い植物や動物の方がよいと思っています。ただ、日本でこのような発想が許容枠にあるかどうか疑問ですが、創造性豊かなヨーロッパに、学ぶことも多いのではないかと、この作家を推薦したいと思うのです。

ブリジット・スジーニ作品