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どんな絵にも、もちろん文章にも、作者の権利を守るために
「著作権」が法律で定められています。

| 2008年10月03日 13:08 | 吉村正臣 |

「著作権」とは

見慣れた、絵画、彫刻、建築、楽曲、詩、小説、戯曲、エッセイ、研究書などは、無断で使えません。「著作権」で守られます。これらは代表的な例ですが、他に写真、映画、テレビゲームなど、新しい技術によって出現した著作物についても、保護の対象となります。

ですから、創作されたものを、作者に無断で使用することは「著作権」の侵害として、罰せられます。さらに、膨大な損害賠償が請求されることもあります。

使用したい場合は、事前に、作者、もしくはその代理人に、了承を取らねばなりません。

このイラスト・ユーロのホームページに掲載しているたくさんのイラストレーションも、すべて、作者ご自身から、掲載の許可や掲載委託を受けています。そしてこれらの作品を、皆様がお使いになる場合は、イラスト・ユーロ担当者が、使用の旨を作者に伝え、了承をとることになります。

しかし「著作権」は、いつまでも有効なものでもありません。

著作権の発生と消滅時期は各国の国内法令によって異なります。が、おおむね、世界160ヶ国以上(2008年現在)が締結する文学的及び美術的著作物の保護に関するベルヌ条約にもとづくと考えることが妥当でしょう。

著作権の保護期間として「著作者の生存期間および著作者の死後50年」を原則としています。すなわち、「著作権」は著作物の創作と同時に発生し、著作者の死後50年(あるいはそれ以上※)まで存続すると定める国が多いようです。ですから作者の死後、50年間は無断に使ってはいけないということです。

もう一つ注意が必要です。※印です。

日本の場合、別に「連合国民特殊法」というものがあり、この中に、日本の特殊な条件が定められています。

先の第2次世界大戦時に、日本と戦い勝利した国々(連合国)との間には、戦争中も本来は「著作権」が有効であったはずで、その間の空白時間を、50年に追加するという特例法律があります。すなわち、50年プラス戦争期間ということです。

戦争の始まったのは、1941年(昭和16)12月7日とされ、講和条約が結ばれた日までとなります。

その期間は…
米国、英国、オーストラリア、
カナダ、スリランカ、ニュージーランド、
パキスタン、フランス
…………………… 3,816日
オランダ …………………… 3,844日
ノルウエー …………………… 3,846日
ベルギー …………………… 3,910日
南アフリカ …………………… 3,929日
ギリシャ …………………… 4,180日
レバノン …………………… 4,413日

これらの国は、50日プラス上記の日数が「著作権」の有効日数です。以外の国は、50年と見ていいでしょう(ただしきちんと関係各署に問い合わせましょう)。

例えば、ルネッサンス時代の画家、ラファエロやダ・ビンチは「著作権」は消滅しています。ルノワール、モネ、ゴーギャン、ゴッホ、モジリアニも。

1945年前後に没した人が、ボーダーラインです。マティス、ピカソ、シャガール、ミロらは消滅していません。

「著作権」が消滅していないからと言って、使えないわけではありません。

きちんと著作権者、もしくはその代理人と交渉をして、使用の許可をとればいいわけです。ただ、交渉に時間がかかり、使用に高額な費用が必要と思われた方がいいでしょう。

それと、今までの経験から言えば、「著作権」をもつ人のほかに、作品を保管している機関、共同制作者、また作者の家族らも絡んでくることもあります。また、本物の絵を借り出すことはほとんどないでしょう、その場合、写真で提供を受けます。

その写真の撮影者に、写真の「著作権」があります。このように、二重、三重に権利を主張される場合があり、調整に苦労することもあります。この点も、考慮に入れておく必要があります。

さらに写真の場合、そこに写されている人物に、「肖像権」があります。「著作権」と別途の権利です。これにも注意が必要です。

ただ、苦労をしても、きちんと処理されておかないと、あとあと大きな問題が降りかかってきますから、ぜひ法的手続きをしておきましょう。