ヨーロッパの一流イラストレータ イタリア、フランス、ベルギー、ドイツで活躍中のアーティストを紹介
   
 

たいへん色彩の美しい、メルヘンを感じる絵本です

| 2014年07月29日 09:30 | 吉村正臣 |

Brigitte Susini ブリジット・スジーニ (フランス)

Et si tout ça n’était qu’un rêve?
みんな夢の中

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フランス語  翻訳付き

描かれた植物や小動物がたいへん個性的。なまめかしい感じがします。面相筆を使ったような精密な線、ディテールにこだわった木々や葉、存在感があります。 これは、オリジナリティが必要な宝石や靴のデザインに、また石や金属、皮、羽毛などにふれた経験から生まれた異様な着想が、彼女の独自性となっているのでしょう。

内容は、主人公のラディジャが、問いかけます。<私>が私ではなく、誰かの夢になってしまったら、どうなるの?その人が目覚めたら、夢の私は消えてしまうの?両親、飼い猫、警官や大統領にまで、問いかけるたびに、ラディジャの哲学的思索はどんどん深まり…ページをめくるごとに、ブリジット・スジーニの描く夢の世界が広がります。
日本でこのような発想が許容枠にあるかどうか疑問ですが、創造性豊かなヨーロッパに、学ぶことも多いのではないかと思うのです。

ブリジット・スジーニは、パリ近郊に生まれ、独学でイラストレーションを習得。モードの世界に興味を持ち、高級ブランド「カルティエ」に宝石のデッサンを提供しました。旅することが大好きで、現在はブリュッセルに近い街に住んでいます。2005年、2006年ボローニャ国際絵本原画展に入選しました。

<翻訳の一部>  翻訳:泉りき

ラディジャは、お母さんにたずねます。
「ねえ、もし私が誰かの夢になっちゃったら、
眠っている誰かの夢になっちゃったら、どうなるの?
その人が目を覚ましたら、私はもういなくなるの?」
お母さんが、答えます。
「ラディジャ、わけのわからないことを言うのはおよしなさい」
「ママは、何でもわかるんでしょ?」
「いいえ、そんなことはわからないわ」

そこで、ラディジャは、お父さんにたずねます。
「もし人間が、ほかの誰かの夢になっちゃったら、
同じころに眠っている何人かの人の夢になっちゃったら、どうなるの?
その人たちの夢が、偶然出会ったら、この世はもう…」
お父さんが、答えます。
「ラディジャ、わけのわからないことを言うのはおよしなさい」
「パパは、何でもわかるんでしょ?」
「いいや、そんなことはわからないよ」

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