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ブルーと深い赤で恐怖を強調されたペローの「青ひげ」

| 2016年03月31日 09:00 | 吉村正臣 |

Frédéric Bélonie  フレデリック・ベロニー(フランス)

La Barbe Bleue
青いひげの男

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フランス語 翻訳付
出版社:ACTES SUD junior

フレデリック・ベロニー(1975年生まれ)は、パリ15区にある国立高等工芸美術学校出身。卒業後は、広告制作の世界で、グラフィック・デザイナー、アート・ディレクターとして活躍する一方、イラスト作品を制作していました。2014年絵本デビューを果たします。2015年発売のこの絵本は、第二作目となります。

シャルル・ペローの「青ひげ」をご存じですか?1697年(日本では江戸時代の前期)に書かれたお話ですが、物語は古さを感じさせません。結末はいったいどうなるのか?と、読み進むうちに興味がどんどんわいてきます。お話の最後には、現代を見越したような「教訓」があります。

ていねいに描いた絵です。柔らかい芯の鉛筆だと思いますが、線のストロークがそろっていて美しい、シンプルで無駄がない。人ばかりか、家具や木々、建物もしかり描かれています。モノクロで描いた上に、色を伏せています。製版上か、PCで鉛筆画に入れたのか、色は筆で塗っていません。きれいな色面を実現。色構成で、例えば『青ヒゲ』がテーマだけに、ブルー調で、さらに深い色と、赤で、恐怖が強調されています。とてもドラマティックな絵です。

≪翻訳の一部≫    翻訳:泉 りき

むかしむかし、ひとりの男がいました。町といなかに、美しい屋敷をかまえ、金と銀でできた食器、豪華な模様の家具や、金色に光る馬車まで持っていました。
そんな男でしたが、不運にもみにくくおそろしい青いひげをはやしていたのです。彼の姿を見て、逃げ出さない女性は、いませんでした。

彼の家の近所に、上品な婦人が住んでいました。とてもかわいい娘がふたりいました。ひげの男は「娘さんのどちらかと結婚したい。どちらにするかは、奥さまに任せする」と申し入れました。ですが婦人は、その話を聞き入れませんでした。

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