ヨーロッパの一流イラストレータ イタリア、フランス、ベルギー、ドイツで活躍中のアーティストを紹介
   
 

王の太陽と、その妹のお話が、美しい線と色彩で表現される

| 2016年07月29日 03:31 | 吉村正臣 |

Sandrine Thommen サンドリーヌ・トマン(フランス)

La sœur du Soleil
太陽と月

la soeur表紙

フランス語 翻訳付  絶版
出版社: ACTES SUD JUNIOR

パリの美術学校エコール・エスティエンヌを経て、すぐれたイラストレーターを輩出するストラスブール装飾美術学校でイラストレーションを学びます。この絵本の作者でもあるイラン出身のバヒヤ・ナクジャヴァニとの出会いが、彼女の作風に大きな影響を与え、繊細で独自の世界を描くことの出発点になりました

王である太陽と、その妹のお話です。宮廷に仕えるモテ男5人組の中で、誰が月のハートを射止めるかで競います。新月を迎える夜のことでした。その中の一人と月が愛し合うようになります。それを知った兄の太陽は激しく嫉妬します。そして月が身ごもっているとわかったとき、兄の怒りは頂点に達します。男たちの恋の駆け引きゲームに、まんまとはまった純真な月の悲劇を描きます。

カラダの線がとてもキレイな絵です。男性ダンサーの足下、足、腕など動きがよくとらえられています。さらに、波が、繊細に、日本の模様のように描かれています。深いグリーンの空に、紙の白地のコントラストがいいですね、さらに、この繊細なカーブのある画面に対し、太陽を描く画面は強く固い線で表現され、まったく異なった物語であることを示しています。仕上げにPCを使ったのでしょうか?平面性からくる静けさが伝わってきます。

≪翻訳の一部≫   翻訳:泉 りき

昔々のお話です。太陽の王に仕える5人の男たちが、新月となった月の心を射止めようと、迎えに行きました。黒いシルクの衣装に身を包み、ビロードに刺繍入りの靴をはき、彼らこそ、宮廷を代表するエレガントな5人でした。しかも王お気に入りの宮廷ダンサーでした。
縦一列になって、真っ白な砂の上をゆっくり歩きました。かわるがわる、新月をおおう波の数を数えました。5人はそれぞれ、月への愛を込め、小さな箱に贈りものをたずさえていました。

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