ヨーロッパの一流イラストレータ イタリア、フランス、ベルギー、ドイツで活躍中のアーティストを紹介
   
 

この絵本は、2005年ブラチスラバ世界絵本原画展金碑賞を受賞。

| 2018年05月18日 05:00 | 吉村正臣 |

Alain Gauthier アラン・ゴーチェ(フランス)

est-elle estelle ?
彼女は、エステル?

est-elle estelle表紙

フランス語 翻訳付
出版社:Editions Motus

絵を描いたアラン・ゴーチェ(1931年生まれ)は、パリ出身のベテラン画家、イラストレーターです。グラフィックデザイナーのポール・コランに師事し、その後パリの美術学校アカデミー・ド・ラ・グランド・ショミエールで学びます。卒業後は広告代理店や大手印刷会社で、グラフィックデザインやアートディレクターとして腕を磨きます。1970年代、敏腕絵本編集者との出会いをきっかけにイラストレーターの道へ。ポスターのためのイラストを数多く描き、ヴィンテージ・ポスターのコレクターが存在するほどです。絵本はフランスのみならず、日本や米国でも出版されています。ロンドン国際広告賞のポスター部門第1位、1984年ニューヨーク・ブックジャケットデザイン賞、1994年アルフォンス・ドーテ賞、2000年、Prix de l’Affiche culturelle(文化活動に対するポスター賞)などを受賞。2016年には、幼少時代から長く過ごしたパリ郊外のブローニュ・ビアンクールで回顧展が開催されました。

この絵本は、2005年ブラチスラバ世界絵本原画展金碑賞を受賞しました。est-elle estelle ?(彼女は、エステル?)タイトルはことば遊びになっています。est-elleのハイフォンをとるとestelleとなり、estelle estelleと同じ単語が並びます。ページをめくるごとにさっき使われていた単語と、音の似たのが加わり、主人公のエステルをめぐる物語は予期しない方向へすすみます。少女、夜、月、犬など、イラストレーターのアラン・ゴーチェが好きなモチーフが次々に登場します。
各部分は伝統的な描き方です。事物のありえない組み合わせなどを写実的に描いたシュールレアリスト特有の、空想性に富んだ画面です。その中に、今日的な事物が取り入れられ、絵をこの時代にマッチさせています。今日では、コンピュータを使って描くところでしょうが、多くは手書きで描かれているのではないか、その分、優しさがあるように思えます。

<翻訳の一部>   翻訳:泉 りき

彼女は

彼女の名は、エステル

彼女の名は、エステル

エステルは、やってくる。

彼女の名は、エステル

エステルは、目覚めたばかり。

彼女の名は、エステル

エステルは、目覚めたばかり。

伸びをして、あごが外れるほど大きなあくびをして

それから、その場を離れる。

彼女の名は、エステル

エステルは、目覚めたばかり。

伸びをして、あごが外れるほど大きなあくびをして

それから、小さいのをとりに行く。

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