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対話を続ける、言葉で理解しあう大事を示す,素晴らしい絵本

| 2018年06月26日 02:00 | 吉村正臣 |

Africa Fanlo  アフリカ・ファンノ (スペイン)

Le livre du Gentil et des trois sage
異教徒と三賢人についての書

Le livre du Gentil表紙

フランス語 翻訳付
Ramon Llull (文)
出版社:Albin Michel

地中海文学の至宝であるこの物語を描いたのは、地中海を代表する都市・バルセロナ出身のアフリカ・ファンノ。バルセロナ大学美術学部で絵画と版画を学び、卒業後は出版社の制作者となり、その後イラストレーターに。これまで30冊近い絵本を出版しています。フランスでもすでに4冊の絵本を出版しています。2004年カタロニアイラストレーター協会のJunceda賞を受賞。スペイン・カタロニア地方のテレビ局では、彼女の描いたアニメーション番組もあります。バルセロナのBAUデザイン学院やマセナ美術学院で講師を務めるほか、イラストレーションフェスティバルに作品を出品しています。

13世紀に書かれた示唆に富む物語を読んでみませんか。さまざまな文化や宗教が交差し、独自の発展を遂げた地中海地方だからこそ生まれた作品です。異なる宗教、他者への寛容を「対話」によって見いだそうとする姿勢は、作者ラモン・リュイからのメッセージです。宗教や民族、思想が異なっていても、対話を重ねることで、最後には互いに理解し合え、同じ気持ちを持てるのではないか-文明の衝突が言われる今日を予言したような700年前の文学は、多くの人に読んでほしい一冊です。

たくさん並んでいる中から、この大胆さと明るい色彩、楽しそうな絵に一瞬にして引きつけられました。一見,ダイナミックに描いているように見えましたが、精細に神経を行き届かせて描いています。大きくざっくり描く前景部と,細かく描く後景部の描き分けがうまいな、と思います。クリーム色の色画用紙に、鉛筆、オイルパステルの線と水彩絵の具で,あたたかく人間味を出しています、このお話の内容に,見事に適合したいいイラストです。素晴らしい絵本となっています。

≪翻訳の一部≫   翻訳:泉 りき

≪解説文より≫ ラモン・リュイ(文)は1274年から1276年にかけて『異教徒と三賢人についての書』を書いた。13世紀のこの作品は、今日の私たちに多くのことを示唆してくれます。700年以上前に書かれた作品のいったい何が私たちを魅了し続けるのでしょうか。
はじめに、明確な主題の設定がありました。宗教の多様性、信仰することと無信仰であることの対立、宗教間の対話、神の存在、死後の世界などです。ラモン・リュイはこれらのテーマを過去のものではなく、今日的なものとしてとらえました。こうしたテーマとともに、物語としての形式、特に意外な結末がすばらしいです。

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