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広々とした遠景、夜明けから日没の色彩変化が美しい。

| 2018年09月21日 05:00 | 吉村正臣 |

Sarah Jacoby サラ・ジェイコビー(アメリカ)

Un jour avec toi
かけがえのない時間

絵・文:Sarah Jacoby(サラ・ジェイコビー)
英語→仏語翻訳:Shaïne Cassim(シェーヌ・カシム)
出版社:Casterman

 

サラ・ジェイコビーは、ニューヨーク・ブルックリンに拠点を置くイラストレーターです。米国ボルチモアのメリーランド・インスティチュート・カレッジ・オブ・アートでイラストレーションを学びました。出版した絵本がSCBWI(米国児童書作家・画家協会)、Communication Arts Best of Illustration、ニューヨークのソサエティ・オブ・イラストレーターズなどの著名な賞を受賞しています。自分自身の記憶を呼び覚ましながら、心に浮かぶ風景を描くことが多いそうです。また作家でもあり、ペンシルヴァニア州のハバフォード大学で文学と映画を学んでいます。

「時間」をテーマにした絵本です。見えないけれど、いつもあるもの。待ちわびたり、通り過ぎるのを辛抱したり。どんなすばらしいひとときも、止めることはできないけれど、分かち合うことで「時間」は、私たちの心に永遠のものになる。描かれる生活のシーン、都会の風景、バカンス地などが、かけがえのないものに思えてきます。

広々とした遠景から、色のきれいな中景に、そしてコミカルな近景にと、視線が大きく動きます。私は、特に遠景の描き方が素敵だと思いました。ワイドな空間がよく描けています。また、時間の経緯が表現されています。夜明け前から、日が上がりだしたころの路上と空、お昼の海岸・・・光が強く遠くの摩天楼が美しい。そして日没、日が海に沈み、森に、街に暗闇が。その合間に、子どもを主人公とするシーンがカラフルに挿入され動的な構成が功を奏しています。色彩がコンテと水彩がベースかな・・・PCで若干の加工がされているようにも見えます。

<翻訳の一部>   翻訳:泉 りき

よーく見てごらん。ほら、そこにいるよ。
手が届きそうなほど、すぐそばに。

ママが器用な手つきで、最初のカップにお茶を注ぐときも
パパがぴったりの部屋履きをみつけたときも
たしかにそこにいる。

ぐずぐずしているときだって
いつも離れずにいる。

とても大事だと、わかっている人たちがいる。
まったくわかっていない人も。

すみません、せっかくですが売り切れました。
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