ヨーロッパの一流イラストレータ イタリア、フランス、ベルギー、ドイツで活躍中のアーティストを紹介
   
 

なんとショックな絵なのだろう、しかし引き込まれてしまう

| 2017年09月09日 12:00 | 吉村正臣 |

Emmanuelle Houdart
エマニュエル・ウダール(スイス 現パリ在住)

SALTIMBANQUES
曲芸師

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フランス語

スイス生まれ。ジュネーブの美術学校ほか、いくつかの機関で学びました。現在は、パリ在住。1996年からイラストと画家の仕事を始め、多くの雑誌・新聞に作品を掲載。20冊以上の絵本を出版しています。マーカーを使った画風、動物と人間を混合する不思議で奇怪な作品、人体に対する異常なイメージが注目され、展覧会にも招待される流行作家の一人です。

受賞歴

2003 絵本「Les Choses que je sais.」でオクタゴン賞(グラフィック部門)
2005 絵本「Monstres malades.」でボローニャ国際絵本原画展・ラガッツィ賞(フィクション部門)
2006 絵本「Les Voyages merveilleux de Lilou la fée」でGrand Prix jeunesse de la Société des gens de lettres受賞

観客を驚かせ、魅了するサーカスの曲芸師たち。誰一人として似ていない、どこにもいない圧巻のキャラクターが、各ページに登場します。

なんと奇妙な絵だろうか。一般に絵本と言えば少しは楽しいか、美しいか・・・と思うのですが、これはその逆、怖くてグロテスク。日本では、差別だとか冒涜とかで騒ぐ人もいそうな絵です。しかし魅力があります。非常に緻密に、ていねいに描かれています。色の塗り方も神経が行き届いています。静かな画面の裏から、闇に放つ彼らの声が聞こえてくるようです。

この人独特の画風ですね。この絵本の対象は、5才頃からとされています。日本では、とうてい子供向けとは考えにくい。中学生以上でしょうか。
顔の表情や、ところどころに奇妙な動物が出てくるあたりが、異様な雰囲気を醸し出しています。色合いも、日本人にない感性ですね。ヨーロッパでも、たいへん個性的で、怪異なとか、夢幻・・・というスタイルだと紹介されています。

黒のインクで線描きし、それにマーカーで非常に慎重に塗っています。顔や身体はなど縁取りをして、白い紙の地を残して仕上げるあたりは、さすがに上手です。にじみや乱れがなく美しい仕上げです。ひとつひとつの描写力もムダなく忠実です。洋服の模様もオシャレです。皆様の、知るところの範囲を超えた絵として、注目していただきたい作品です。

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