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女性、動物たち、奇妙なデフォルメ、自由そのものの絵

| 2016年05月06日 09:00 | 吉村正臣 |

Muriel Kerba ミュリエル・ケルバ(フランス)

Le miroir de Madame Édouard
エドゥアール夫人の魔法の鏡

le miroir表紙お茶

フランス語 翻訳付き
出版社: GAUTIER-LANGUEREAU

フランス・パリ在住のイラストレーター。ESAG(パリ・グラフィックアート学院)で、イラスト理論を学びました。卒業後5年間、出版分野でグラフィック・デザイナーとして活動したのち、イラストレーターになりました。多くの絵本を出版するほか、絵画、セラミック、シルクスクリーン作品も制作しています。

内容は、エドゥアール夫人のもとに、夜な夜な悩みをかかえた動物たちがやってきます。ひとしきり悩みを打ち明け、エドゥアール夫人の鏡の前に立つと、あら不思議!自信を失った動物たちが次々に立ち直ることで、新たなやっかいごとがうまれます。どんな暗示をかけるのでしょう。動物たちと同じように、自信をもたせてやるのでしょうか?それとも…。

とても大胆で楽しんで描いています。人の表現が特徴的、この作家の個性がよく表れています。とは言っても、細部まで神経細やかに絵の具を入れています。服の模様など細い筆で息を止めて描いています。わずかにコラージュで画面に変化を付けています。色合いも大胆、どうして描いたのだろう…など、考えてみるのも楽しいです。

≪翻訳の一部≫   翻訳:泉 りき

月曜の夜のこと、老黒猫・ザンジバルが、夫人のもとにやってきた。
すると汚らしい猫は、いきなりゴキブリに襲われる。

「奥様、何とかしてくださいよ。自分が黒猫なんて、やってられないです。飼い主にしても、外で私を見かけたら、歩道の反対側に渡るんです。飼い主は、怪しい本を読んだせいか、私を色めがねで見るんです。いい加減にしてほしいんですよ。これ以上、いやな目に遭いたくない。もっと人から、大事にされてもいいでしょ。あーあ、チータかジャガーになりたい」

「こちらに来なさい。鏡に何が映っているか、答えて」エドゥアール夫人は、鏡をちらっと見てから、猫に言った。猫は、鏡にうつる自分を見た。
「奥様、何にもいませんよ。太った黒い猫の姿しか」
「そぉ? 気品あるチーターの姿は見えないかしら?」夫人はもう一度言った。
「あっ。はい奥様。たしかに見えます」
「よろしい。じゃあ、帰りなさい.

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あしからずご幼少ください。