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自然の中を歩き回り、描いたスケッチが、この作品を生む

| 2016年10月06日 03:03 | 吉村正臣 |

Diana Nagy  ディアナ・ナジィ (ハンガリー)

nuage
雲のこども

nuage表紙-650

フランス語 翻訳付
出版社: Editions Memo

絵と文を手がけた、ディアナ・ナジィ(1982年生まれ)は、ハンガリー・ブダペスト出身。地元の大学でデザインを学びます。専攻は、日本の古い絵本やゲームの研究だったそうです。クロッキー帳を持ち歩き、自然の中を歩き回り、描いたスケッチが彼女の強み。手描きを中心に、手描きの線をより美しく見せるために、コンピュータを使います。絵本デビュー作です。

ある日、森に降り立った雲の一団。ところが、みんなが帰ったあとも、雲のこどもだけが残ってしまいました。空に戻らないと、家族が心配しています。森の動物たちは、なんとか空の上に帰らせてあげようと、息をふきかけるのですが、うまくいきません。雲のこどもは泣き出します。そのうちに夜が明け、太陽が顔を出します。「このままだと、おひさまに霧にされてしまうよー」雲のこどもが無事に空に戻るまでのお話です。

濃いグリーンと、白の雲が対比され、とても美しい絵本です。各色が微妙に組み合わされ、平面的な作画ながら、深さを感じます。特に、雲が中心部から周辺への白のグラデーションと、まわりの色への溶け込みがていねいで、ファンタスティック。背景になる杉の木(?)の枝の連なり、動物たちのデフォルメもかわいく楽しい絵となっています。文字を入れるために枠をつけアイデアはお見事。PCソフト・イラストレーターで描かれたのかな・・・緻密に使い込まれています。

≪翻訳の一部≫  翻訳:泉 りき

その夜、おおぜいの雲が湖の近くまで降りてきた。
しばらく休憩し、スイレンの花をながめる。
雲のこどもは、はじめて木々のあいだに入りこみ
動物たちに「こんにちは」と声をかける。
やがて、オオカミがうなり声をあげる。
夜が明けだした。そろそろ空の上に戻らなきゃ。
雲のこどもは、蛙たちに話しかける。
そして水面に映る月に「またね」とあいさつをする。

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