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日没の色合いが美しく劇的なフォトコラージュ作品です

| 2017年01月13日 09:56 | 吉村正臣 |

Ana Yael アナ・ヤエル (アルゼンチン)

Une femme et un homme
めぐり逢い

Une femme表紙650

フランス語 翻訳付
出版社:L’atelier du poisson soluble

ビジュアルを担当したアナ・ヤエル(1984年生まれ)は、アルゼンチン出身。本の装丁、雑誌への作品提供、絵本の挿画を手がけています。現在はバルセロナを拠点に活動しています。市内でふたつのギャラリーを運営し、自らのクリエイティブチームを率いるなど、これまでにないタイプのアーティストとして注目されています。絵本の文章を担当したスペインの作家グロッサ・トロとの出会いが、彼女の新たな世界を引き出したと評されています。

どんよりとした街の通りをはさみ、ふたつの高い建物の窓を舞台に演じられる、さながら二人劇のような作品です。左側が女性、右に男性。ことばをかわすようになり、互いにひかれあいます。建物は空に近くなったり、海の上に浮かんだり、ふたりの会話とともに背景が変化します。ふたりは窓のそばに現れたり、消えたり。孤独なふたりが最後には出会い、ふたつの部屋の窓には植物のアーチがかかります。灰色の街に愛がめばえ、緑の世界にかわっていくさまをお楽しみください。

フォトコラージュ(写真合成)を駆使したイラストですね。古い家屋を写真上で加工し、さらに他の写真と構成しています。窓から手描きの男女が顔を出し、会話を続ける。(製版時の)網点を拡大・強調したり、非常に綿密な石壁を描いたり、単純な構図ですが、微妙なテクニックが使われています。とくに、表紙や中表紙の夕方(?)の日の沈む色彩が、ドラマチックです。そこに引かれて購入しました。物語もいいですよ。

≪翻訳の一部≫   翻訳:泉りき

むかいの家の窓はいつも閉まっていて、近所の鳥たちの休憩所になっているようでした。
ある日、その家の住人である男性の姿をみかけました。「何をご覧になっているのですか?」彼女は声をかけました。
「ある晩、ぼくは南極に浮かぶ氷の上で、裸のまま寝ました。何も見ていません。ただ窓のそばにいただけです。
寒くなりそうかな、と気になりまして」そう答えると、彼は窓のそばからいなくなりましたが、また眼鏡をかけて戻ってきました。

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