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声を出して読む時、シラブル、リエゾンがわかる画期的な絵本

| 2017年07月06日 15:00 | 吉村正臣 |

Nathalie Novi ナタリー・ノヴィ(フランス)

Le rêveur qui ramassait des papiers bonbon
包み紙を拾い集めて

le reveur qui表紙

フランス語:翻訳付
出版社:Editions La poule qui pond

書店で絵本が平積みされている人気作家のひとりです。これまでに50冊近い絵本を出版しています。ロレーヌ地方の出身で、幼少時代をアルジェリアで過ごします。1987年パリ国立高等美術学校(ボザール)を卒業。パステルを中心に、クレヨン、鉄筆、油絵の具を組み合わせ、どこか懐かしい色合いで描いています。2001年絵本Al’ombre de l’olivierで、フランス国民議会賞を受賞。2006年フランスやフランス語圏で人気の絵本に与えられるサン・テグジュペリ賞を、2007年Une cuisine toute en chocolatでボローニャ・ラガッツィ特別賞を受賞します。彼女の仕事ぶりを映像化したドキュメンタリー映画が2008年に制作されました。2017年秋に、没後200年となる英国の小説家ジェーン・オースティンについての絵本が発売予定です

声に出してフランス語を読む練習をしたり、読むことが困難な人たちのために、文字色を変え、シラブル、発音の強弱はもちろん、リエゾンやエリジオンを示した画期的な絵本です。もちろん、声を出してフランス語を学ぶ人にもお使いいただけます。
お話は、飴の包み紙を拾い集める男性が、自分に起きた出来事を誰かに語るものです。とらえどころのない男性の姿が、詩的なテキストで書かれています。

ベージュ系の厚手の色画用紙に、オイルパステルで重ねて重ねて塗っています。事物が正確に、しかも重厚に描かれて、波や木々がとてもリアルに繊細に表現されています。とくに同一の色が広がっている面の部分は、微妙に色を変化させ奥行きをつけたり、物語性を強調したりして、画材の性質をよく知っているなと思います。あでやかな色が随所に出てきて、はっとさせられます。

≪翻訳の一部≫   翻訳:泉 りき

これから、ぼくについて話すからね。大きな街道沿いに家がある。
毎日、飴の包み紙を拾い集めている。赤いの、青木の、黄色いの、透明のもある。
ぼくは、誰も知らない夢の中で生きている。そうさ!ぼくの心の中にしまった夢の中で生きている。
包み紙の中の飴みたいに。

朝、畑を歩いていると、黄色い蝶と出会った。ぼくはそれをつかまえた。
なんだ、飴の包み紙じゃないか。
包み紙を風の中に戻した。
風が強かったから、動かない蝶だって
ずっとずっと、飛べるかも。

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