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しっかりした絵、魚眼レンズのような目で見て描いています

| 2017年08月29日 10:08 | 吉村正臣 |

Susanne Janssen スザンヌ・ジャンセ ン (ドイツ)

La leçon de piano de Madame Buttefly
マダム・バタフライのピアノレッスン

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フランス語 翻訳付
出版社: Editions Milan

スザンヌ・ジャンセンはドイツ・アーヘン出身(1965年生まれ)で、フランス在住です。デュッセルドルフの高等デザイン美術学校でデザインとグラフィックを、さらにイラストレーターのヴォルフ・エァルブルッフのもとで、イラストを学びます。1994年ブラチスラバ国際絵本原画展に入選。1997年に同展の最高賞「金のリンゴ賞」を受賞。2008年ドイツ児童文学賞(アルバム部門)を受賞。重厚な画風で、絵本制作のほか、絵画や舞台装飾分野でも活躍しています。

ピアノ教室に通っていた子ども時代のお話。マダム・バタフライと呼ばれた先生との数々の思い出が描かれます。レッスンを受ける先生の家には、全部屋にピアノがあり、音楽評論家のネコがいて、そして先生が作るピザは絶品!魅力的な先生と、先生のことが大好きな子どもたちの交流が、ユーモアあふれるタッチで描かれます。

7才からの絵本とされています。日本では、これが子供に受け入れられるのかしら? 日本は子供向けというと、一定の枠があります。“いい子”のスタイルが親、さらにはその親が作っていて、それに外れる絵は受け入れない、だから、作家も描かない。そんな枠はヨーロッパではありません。作家の個性が強く出ることが多いのです。この絵本はたいへん個性の強い作品です。描こうとするものをぐっと大きく魚眼レンズのような目で見て描いています。めずらしい画風のいい絵です。

≪翻訳の一部≫   翻訳:泉 りき

子どものころ、マダム・バタフライ宅でピアノを習っていた。マダム・バタフライは、本当の名前じゃない。ピアノを習ってた生徒がつけたあだ名だ。ぼくたちはみんな、先生が好きだった。全部屋そして物置まで、そこら中にピアノがあった。人目につかない暗い場所では、ピアノにぶつかったものだ。ぶつかった拍子に、きれいな白い鍵盤が、メロディを奏でることがあった。

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売り切れました。絶版ですのですみませんが取り寄せできません。