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ボローニャ国際絵本原画展で入賞、その後めざましく変化しました

| 2018年03月09日 17:55 | 吉村正臣 |

Nathalie Harvey  ナタリー・アルビ(フランス)

フランスとアメリカ、ふたつのルーツを持つ画家です。1975年南仏サン・ポール・ド・ヴァンス生まれで、現在はパリに住んでいます。パリ国立装飾美術学校を卒業後、変化する女性の容姿や肉体を解き明かすかのような自画像でデビュー。一貫して人間を描き続けています。
海外のアーティストレジデンス(メキシコ、バリ島、シンガポールなど)での作品制作にも参加。2013年、アトリエ&ギャラリーのObroseをパリ11区にオープンし、自らの作品とともに、意欲的な作品を発掘し紹介しています。マレ地区にある有名レストランをギャラリー内に再現し、作品を鑑賞しながらの食事会や、パリ市当局から検閲があった展覧会など、目が離せません。

1999年のボローニャ国際絵本原画展で入賞しました。その時の絵は、もちろん今を忍ばせます。絵の具をたっぷり勢いよくグイグイイ塗り意志の強い画面を作っていました。動物の特徴を強調したデフォルメで絵本の原画を意識したなかなかいい絵でした。

最近の絵は、上でも紹介したように、人物がテーマで、より繊細により鋭く、そしてデッサン力が増したかのような正確な絵になっています。写実に近い表現から同じ題材を、イメージのおもむくままに、具象性を崩していきます。被写体から脱してより、自らの感情に近づけています。その過程が並べてみると、よくわかります。芸術家の心情が理解でき、見る側が鑑賞の域を超えた感動を持ちます。

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