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アート感性と理数感性がバランスよく存在するルアリズム

| 2018年06月09日 09:40 | 吉村正臣 |

Marion Janin  マリオン・ジャニン(フランス)

1972年、リヨン生まれ、現在フランス中央部オーヴェルニュに住み、イラストレーターとして活動しています。芸術家であった祖父のもと、幼いころから絵を描くことに親しんでいました。大学で数学を学び、教職を経験した後、イラストレーターをめざすことに。文化財団Fondation de Franceの奨学金を得て、フランスにあるふたつの美術学校(エピナル、ナント)で美術の勉強をします。
2003年、自身のアフリカ・ブリキナファソへの旅の経験を絵本にした”Noir Ebène”でデビュー。
繊細で丁寧なデッサンで、2011年ピュイ・ドゥ・ドーム県のすぐれた造形作家に贈られる賞を受賞します。 “les silences des pierres” ”l’enfant errant”などをはじめとする絵本の出版のほか、音楽家の演奏シーンのデッサン作品も多数あります。

非常に繊細で微妙なストロークで描く作家です。洋服の生地やドレープが見事に描かれています、まるで中世の絵のような正確さ。モノクロの鉛筆画を見ると、デッサン力の優秀さに驚かされるでしょう。その描写力が歴史物語の絵に遺憾無く発揮されています。上流階級の女性の様子は、美しく気品があります。一方、現代的な、絵も描いています。そのどれもが、彼女の理知的な特性が表現され、今の時代に、肉筆で描く素晴らしさを思い出させます。「アリスの不思議な冒険」を描いていますが、アリスと部屋の関係が不思議なパースペクティブで描かれます。これは、きっと大学での専攻が数学とのことで、彼女の頭にアート感性と理数感性がバランスよく存在しているのでしょう。

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