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詩のような物語と、ローランの絵が、美しい絵本を作り上げた

| 2021年04月15日 10:05 | 吉村正臣 |

Laurent Corvaisier ローラン・コルヴェジエ (フランス)

Comment Pok l’oiseau inventa les couleurs
色彩を見つけた鳥・ピック

comment pok表紙750

フランス語 翻訳付

出版社:RUE DU MONDE

画家、イラストレーターとしてパリで活躍する、ローラン・コルヴェジエ。フランスの港町ル・アーヴル出身で、パリ装飾美術学校を卒業。現在は母校の教授を務めています。ボローニャ国際絵本原画展の審査員にも選ばれました。後期印象派から多くを学び、筆致の軽やかさ、多様な色彩をもつ彼の特長が存分に発揮された絵本です。
もしこの世界に色彩がなければ、どんなにさびしく、毎日はひどくつまらないはずだ…。モノクロームの世界に生きる鳥ピックが、さまざまな色彩を発見し、世界が生き生きとしはじめる物語。ローラン・コルヴェジエのために生まれたような、色彩賛歌の絵本です。フランスでは、5歳-10歳を対象にした公共図書館の読みきかせ会に使用されました。

ローランのなめらかな筆と、清らかで美しい色彩が、絵のすばらしさや自由さを教えてくれます。とてもよい作品です。
モノクロの世界から、赤が入り、黄が加わり、緑が参加し、画面が色づいていきます。美しい黒は、入りが入ってきても、強く存在し、他の色彩を一層際立てます。さらに、色が入ってきます。色の美しい絵に変わってきます。白い紙の面も汚されることなく、白場を美しく保ち、気品すら感じさせます。

小動物や木々、その他登場する事物が、シャープな線と色の面で描かれています、いずれも優雅でシンプル。さすが、デッサン力のある人だと再認識します。最後に、カラフルな画面となりますが、白黒から色が加わってくる肯定を研究してください。

≪翻訳の一部≫ 翻訳:泉 りき

白だけの自然の中で
雪だるまを見つけたり、全身白のちっちゃな虫を
見つけることは、おそらく無理。
そんなある日、ピックが現れた。
用心しながら飛んでいたのに
白い枝にぶつかった白い鳥。
それを見た鳥のポックは、心に決めた。
「ここは白すぎて、何も見えない。夜になったら、空の黒さを少し切り取って、木を黒くしてあげる」
夜になると、真っ白な世界が月に照らされ、そこに何があるのか、はっきり見えた。
月の光で、それぞれの形が、くっきりと浮かび上がる。
鳥、魚、雪だるま、そして森が…。
鳥のポックはくちばしで、暗い空をつっついて、少しずつ、夜の闇を切り取っていった。

comment pok2-750

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