① P.7のポイント
絵の中に、チケットのようなものを持っている子供がいます。サーカスでしょうか、映画か・・・何かの催しの開場を待つ列のようです。
LES AUTRES, CE SONT CEUX QUI SONT DANS LA FILE DEVANT TOI
PARCE QU’ILS SONT ARRIVÉS LES PREMIER.
CEUXは、LES AUTRESのことですね。繰り返し強調しながら、文章に引き込む工夫でしょう。
直訳すれば、列にはきみの前に人がいる。と言うことでしょう。
ここで、「TOI」が出てきました。「きみ」と、一人にフォーカスしているのでしょう。
前ページで「美術館では・・・」というように場所の限定のお話をしましたが、ここでも、「列には・・・」というように、場面の規定をしてもいいですね。
PARCE QUEは「というのは」で理由を説明。また、LES PREMIERは、第1の意味ですが、ここでは「最初に着いた人、先に着いた人」となり「君の前にいる人は、君より早く着いた人」となりますね。
こんなふうにしてみました。「すでに列ができていて、君の前に人がいる。彼らは先にここに着いたのだ。
以下の2行は、LES AUTRESがどんな人か言っています。
早起きして、急いで出てきたのですね。
「ON DOIT」は、厳密に訳すと「しなければならない」とかなりの強制の言葉ですが、ここではそれほど強くしなくてもよいでしょう。
「追い抜かすこともなく、順番を待っている」としました。
ILS SE LÉVENT TÔT, SE DÉPÊCHENT, SORTENT À LA HÂTE,
早起きして 急いで 大急ぎで出かけ
・・・です。急ぐことを繰り返されていますが、日本語にするときは、省略して、「早起きし、大急ぎで出かけました」でいいのかなと思います。
② P.8のポイント
このページは、後ろに並んでいる人、つまり、遅れてきた人のことを言ってますね。
ここでおもしろい表現があります。
ILS NE TROUVENT JAMAIS DEUX CHAUSSETTES ASSORTIES.
NE ・・・ JAMAIS は「全く・・・ない」と、強い否定ですね。
CHAUSSETTES ASSORTIES は、「釣り合った靴下・・・セットになった靴下」のことでしょう。ひとそろいの靴下の片方が見つからず、出発が遅れてきたようです。
たしかに、絵の中にばらばらの靴下をはいている人が、描かれています。
③ P.9のポイント
電車の中ですね、地下鉄でしょうか。画面の中央に出入り口が見えますね。
ILS SE RACONTENT DES BLAGUES, DES HISTOIRES, DES MENSONGES, DISENT DES GROS MOTS,PARLENT DE LEURS DEVOIRS,
SE RACONTENT・・・は、互いに話し合っているさまですね。
この中に、raconter, dire, parler と「話す」ことの動詞を使い分け、3つのアクションを提示しています。それぞれを並列的に区切って訳すと楽でしょう。
OU BIEN ILS TIENNENT DES DISCOUR INTÉRESSANTS QU’ON N’ARRIVE PAS À SUIVRE JUSQU’AU BOUT,
OU BIEN・・・これまで列挙してきたものにさらに追加して、さらにはこれまで列挙してきたものとは異なる要素を入れたいときに使います。ここでは、先ほどまでの語句の列挙から、関係代名詞で詳しい説明のついたdes discours intéressantsが登場するからでしょう。
このページは、以下のように訳してみました。
「冗談、でたらめ、嘘を大げさに並べあうかと思えば、宿題のことを持ち出したり、結末がないおしゃべりにすっかり夢中になる。」
④ P.10のポイント
乗客の話している様子が続いています。
IL Y A CEUX QUI PARLENT COMPLIQUÉ ・・・
「ややこしい話をする人たち」と、最初は思いましたが、よくよく見ていると、動詞compliquerの、過去分詞を副詞のように使っているのではないか。そうすると、「ややこしい話し方をする人たち」とも考えられます。
ネイティブは-
compliquéeは、動詞parlerを説明する副詞的な役割です。わかりにくく話す人、ややこしく話す人。どんな話し方なのか説明しています。言い換えると、parler de façon compliquéeになります。
ILS S’INTERROMPENT,
TE JETTENT UN REGARD EN COIN,
2行目の主語は、前行に出てくるILSです。
jeter un regard en coin は、「盗み見をする」
話をしている人たちが、盗み聞きをしている君に気づき、話をやめる。そして君を横目でちらっと見るシーンです。
⑤ P.11のポイント
「よその人(LES AUTRES)が、いたるところにいる」と、前のページを受けながら、次からのドラマを予告しています。
文脈を整える役割もしています。
⑥ P.12のポイント
TU T’EN APERÇOIS
ここでは、「に気づく」「〜が目にとまる」とします。では、何に気づくのか、何が目にとまるのか?
そこでTu t’en aperrçois を分解します。
Tu t’en aperrçois = Tu t’aperrçois deに置きかわりますね。(s’apercevoir de)
では、de以下は、ここでは前ページのles autresでしょう。もっと厳密に言うと、les autres sont là(人々がそこにいる)ことに気づく、となります。
(TU VEUX) CONFIER UN SECRET À QUELQU’UN ・・・ 「誰かに秘密を打ちあける」と言うことですね。「ないしょ話をしたいとき」というのは、状況を捉えたよい訳です。
このページの訳としては「通りでおしっこをしたくなったとき、誰かにないしょ話をしたいときに限って、そこには、人がいる」としました。
このNO.1の原稿は、2015年6月15日に書いたものです。
この絵本の解説と他の絵は:http://www.illust-euro.com/?m=201503&paged=4
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次回 NO.3は、P.13からです。