文字のない美しい磁器の絵本で、国際賞を受賞!
| 2025年07月06日 05:00 | 吉村正臣 |
Katerina Illnerova カテリーナ・イルネロヴァ (チェコ)
Une aventure au royaume de Porcelaine
ポーセリン王国での冒険
一部に仏語の解説:翻訳付
出版社: Obriart
1999年、チェコ・プルゼニ生まれ。ドイツ語名のピルゼンでピルゼンビールの醸造で有名。イラストレーター/コミック作家で、主に児童向けイラストを手がけています。西ボヘミア大学デザイン・アート学部出身。2022年にチェコ人として初めて「サイレントブックコンテスト- ジャンニ・デ・コノ賞」を、この絵本で受賞。また2023年のアンデルセン賞の最終候補にもなりました。高く評価された絵本です。
なお、サイレントブックコンテストは、イラストによる物語表現のみで創作・制作された、未発表のオリジナル絵本プロジェクト。ジャンニ・デ・コノ(1957-2017)は、イタリアの出版界で最も偉大なイラストレーターの一人で、没後彼の名を配した賞が作られました。
物語は、突風が帽子を吹き飛ばすというありふれた出来事から始まります。しかし、そよ風が未知の世界、磁器の王国に連れて行き、驚くべき冒険の始まりとなるのです。この王国は磁器の繊細な優雅さにあふれていました。読者はページをめくるごとにそれを発見します。
この正方形のアルバムの表紙から、ユーモアたっぷりのイラスト!中国の磁器にインスピレーションを受けて、ティーポット、ボウル、花瓶、皿、カップのセットに、昔ながらの食器に見られるような模様を描きます。
イラストは美しく、非常に詳細です。背景の黒と磁器の白が、色彩を存分に引き出します。青とオレンジの 2 つのメインカラーだけを使用するという繊細なアイデア。これらのカップや皿を家に置きたいとさえ思うほどです。
文字がありませんので、磁器だけを味わっていただいても楽しいです。
(ポーセリン:高品質な磁器)
一部に仏語の解説があります ≪翻訳の一部≫ 翻訳:南乃 まあ
変わり続ける旅
文字のない絵本に足を踏み入れるときは、臆病になる必要はない。とはいっても、そっと注意深く接してみましょう
慎重さと信頼をたずさえて、一歩ずつ進むのが望ましい。文字がないだけに、想像だけで、たどる道は毎回異なり、予測不能だからです。行き止まりに突き当たって引き返すこともあれば、険しい坂道や複雑な迷路へと導かれることもあるでしょう。
どんな旅もそうですが、急ぐことや一直線に進むことは避けたいものです。むしろ、立ち止まり、待ち、休む時間が必要となります。たとえば、深い森の中の小さな空き地で、風に吹かれる海辺で、静かな広場や小道沿いの心地よい岩の上で。
私たちを導くのは「目」であり、それは、少しずつ魅了されていく者の「ゆっくりとしたまなざし」だ。時には喜びと驚きとともに、少しずつ魅力を発見し、それに身を委ねる人々のゆっくりとしたまなざしを持つことになります。
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