ヨーロッパの一流イラストレータ イタリア、フランス、ベルギー、ドイツで活躍中のアーティストを紹介
   
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パリで絵本を探そう!

| 2006年01月30日 17:54 | 吉村正臣 |

パリで絵本を探す利点は、いろんな国のイラストレーターと出会えることです。フランス以外に、イタリア、スペインの作家。個性的なベルギー、あまり見られないロシアや東欧の国々の作家。まず見られないアフリカ、南米の作家らもたくさんあります。

中国などアジアのものも日本で探すより、パリで探すほうが多く、作品も新しいのでいいものが見つ かります。また、新しい作家の取り揃えが早く、絵本も流行というか、時代の流れとともに激しく変わっていることが実感できます。ということは、多くの国の キャリアのあるイラストレーターから新人まで、多様な仕事振りがよくわかるのです。

パリへ行かれたら、 1 日時間を作られ本屋さんめぐりをされたら楽しいです。

2006年は、エリック・ピュイバレ( ERIC PUYBARET )が、注目されるようです。昨年のクリスマス前に、新作がならびましたが、多くの書店が、彼に力を入れたようです。

一昨年から注目して、 1,2 作買っていました。パリ左岸に住む、まだ若いイラストレーターで、美しい線で、独特の癖を持つ人です。日本でも出版されています。


エリック・ピュイバレの絵本

イラスト・ユーロの作家では、フレデリック・ベルトラン( FREDERIQUE BERTRAND )、ナタリ・フォルティエ( NATALI FORTIER )の作品も前面に出ていました。

フレデリック・ベルトラン
ナタリ・フォルティエ

また、絵本の物語より、絵を自由に描くことができる「詩」とのコラボレーション作品が来年あたりから出てくるかなと、思われました。

パリで探すなら、この本屋さん
入りにくいところもありますが、勇気を出して!

●絵本中心の本屋 シャントリーブル( CHANTELIVRE )

ほとんどが絵本です、しかも1階だけですから探しやすいでしょう。年齢とジャンル別にならんでいます。サイン会など小さな催し もやっています。静かな街区ですから店内の居心地もよく、落ち着いて見ることができます。店員さんが、手際よく整理をしています。ですから、いい1冊を見 つけ、手前にでも出しておき、他のコーナーに移って、また後で戻ると、もうそこには置いてないということがあります。これはと思う本は、備え付けのかごに 入れて持ち歩く必要があります。相談係の人もいます。クリスマス前は、アドバイスはいりませんかとさかんに声をかけてきます。

●出版社の販売部門  アシェット・ディディエ( HACHETTE DIDIER )

サンジェルマン・デ・プレから歩いていける距離です。出版社のビルの1階にあり、しっかりした扉があるので、入 りにくいのが欠点。入ってすぐ右に絵本と子供の本のコーナーがあります。オシャレな装丁の本が多い。また、時にいいイラストレーションが見つかり助かって います。購入は、ドア横のデスクの人に持っていけばよいでしょう。

●パリ最高級デパート ル・ボン・マルシェ( LE BON MARCHE )

本館地下に本売り場があります。この横に、もう一段下がる階があり、ここが子供用品売り場で、 絵本などもこのフロアーにあります。高級デパートだけに、いい絵本があります。コント( Contes )と表示された棚が、大人にも通じるイラストレーションのしっかりした本が多いようです。

以上が、一街区です。

セーヌ右岸のデパート、ギャラリー・ラファイエット(LES GALERIES LAFAYETTE)プランタン(LE PRINTEMPS)で探すのもよいでしょう。少ないのが欠点ですが。

●ノートルダムからすぐ近く ジベール・ジュヌ( GIBERT JEUNE )

有名なノートルダムから、セーヌ川を南に渡るとサン・ミッシェルです。サン・ミッシェル広場に面してお店があります。本店の4階が子供用で、多数の絵本があります。絵本コーナーの一角に、子供向けの詩やオペラのコーナーがあります。
詩に対して絵をつけるという作品集がこれから着目されると前述しましたが、このコーナーの作品を見ていると、絵の自由さ、視点の斬新さに、ひとつの新しいイラストレーションの道が予感されます。
(この本屋さんには近所に支店がありそこには絵本はおいていません。本店のみです)

●サン・ミッシェル通り ジベール・ジョゼフ( GIBERT JOSEPH )

上記のお店から近く、名前がよく似て、同じようなお店ですから支店と間違いやすい。ここの特徴は、古本ものが多い。ただ古本と いっても日焼けしている程度で汚れているとか時代遅れというものではありません。安いので、同じものならここで買う、ということをします。(上記 ジラー ル・ジュンヌにも少しあります)
本店だけが本で、支店は紙や文具の店となります。

●出版社の販売部門  ナタン( NATHAN )

リュクサンブール公園の南端、サン・ミッシェル通り側にあります。少し見つけにくい。ここは出版社ですから、入りにくい。ま た、教科書や問題集が多く絵本は少ない。時間がないときは避けるのが賢明。ただ、入り口を入って右にサロンがあり、無料の水のサービスやジュース類の自動 販売機があります。お客と出版社の人の打ち合わせ用なので、長居はできません。

上記3店は、同街区です。

● 安い絵本やアート系がならぶ キュルチュール( CULTURE )

町並み保存の代表的な街・マレ(右岸)にあります。メトロ・サンポール駅を北にあがったところ。結構アート系のこだわりの店で芸術関係の本がぎっしりあります。最上階には古くから最新のものまでフランスのポスターがたくさん売られています。
絵本は、この書店の入り口部。値段は安いのですが、古いものが多い。ピカソ美術館の帰りによるのがよいでしょう。

●フランス最大の大型書店  フナック( FNAC )

最も大きな書店ですから、他の本や CD などがほしいときに行くとよいでしょう。モンパルナス店は大きいのですが、人が多く探すのに疲れます。凱旋門近くのエトワール店は人が少なく見やすいで しょう。ただ、同じ書店ですが、おいてある本がまったく違うときがあり、2軒とも見ておくということをします。
パリ以外の大きい街には、この書店があり、絵本を探すこともできます。