ゴリラ、チンパンジー、オランウータン･･･数にあわせて次々に登場

｜ 2016年09月24日 02:00 ｜ 吉村正臣 ｜

Anthony Browne アンソニー・ブラウン（イギリス）

Un gorille : Un livre à compter
ゴリラ：数をかぞえる絵本

フランス語　翻訳付
出版社：Kaléidoscope

アンソニー・ブラウン（1946年生まれ）は、英国の絵本作家でイラストレーターです。ヨークシャー出身で、リーズ芸術大学でグラフィックデザインを学びました。卒業後は広告の仕事や、医学関係の図解を描きました。1976年、初めての絵本を出版。すぐれた児童文学に与えられるケイト・グリーナウェイ賞を2度受賞したほか、ドイツ児童文学賞、国際アンデルセン賞を受賞しています。彼の絵本は世界中で出版されています。この絵本にも登場しますが、とりわけゴリラを描くことが大好きだとか。

ヒト科の動物たちが次々に登場します。ユーモラスな表情に、思わずくぎづけです。著者であるアンソニー・ブラウン自身も描かれ、動物たちと人間が同じ仲間なのだなと、楽しい気分になります。

筆と絵の具で描いているのでしょう、かつて呼ばれたスーパーリアル画なのでしょう。各種の猿が、実に正確そうに精密に描写。若者から長老まで、特徴がよく捉えられ、また想像を十分に働かせシンプルでいい絵になっています。しかし、それぞれの顔に人間的なところが感じられます。目の表情か、唇の微妙な動きからでしょう。そして最後に人間が。初期の企画段階からユニークな計画を立て貫徹した絵本ですね。

≪翻訳の一部≫　　翻訳：泉　りき

1頭のゴリラ、2頭のオランウータン、3頭のチンパンジー･･･「数をかぞえる本」一見ありふれたタイトルですが、作者のアンソニー・ブラウンは、生きものが進化するさまを描いています。わたしたち人間についても、より雄弁に語っています。

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