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前作の赤ちゃんグマが、この絵本では歩きはじめた

| 2020年01月03日 22:14 | 吉村正臣 |

Gaëtan Dorémus  ガエタン・ドレミュス  (フランス)

Quatre pattes
四つの足で

フランス語 翻訳付

出版社: rouergue

ガエタン・ドレミュスは、フランスの絵本作家、イラストレーターです。1976年フランス北部の中心都市リール生まれ。ストラスブール装飾美術学校で学び、雑誌や新聞にイラストを提供。その後、絵本を創作するようになりました。2012年にニューヨーク・タイムズ・ベスト・イラスト・児童図書賞を受賞し、2015年にはボローニャ国際絵本展の大賞ラガッツィ賞を受賞。2014年まで母校のストラスブール装飾美術学校でイラストレーションを教えました。すでに約30冊におよぶ絵本が出版されています。好評だった前作 « Tout doux »で登場した生まれたばかりの子グマが、この絵本ではよちよち歩きはじめました。

主人公の子クマは、四つの足でさまざまなものの感覚を確かめ、行動します。小石、草、水たまり…チクチクする。すべる、よじ登る。一歩外に出ると、驚きの連続です。何かに出会い、問いかけ、心配になったりしながら、外の世界を発見していきます。そして四つの足は、いつの間にか二本の脚と腕になり、子グマはからだの使い方を体得します。お父さんクマは、子クマの成長に目を細めているようです。動物を人間のように描く方法で、読者は子クマをより身近に感じることでしょう。

このイラストレーターは大変絵の上手な人で、様々なタッチで描けます。この絵本では立体感のある表現方法で子グマを描きました。かつてイラスト・ユーロで何度か取り上げていますが、平面的な作品やマンガタッチの作品もありました。
この作品は、ペンと水彩絵の具で描かれているようです。熊の体型がとてもかわいい、細部まで緻密ですが、大胆に見せています。いい絵本です。

《翻訳の一部》  翻訳:泉 りき

四つの足で、ぼくは、地面に立っているよ。
アスファルトの上を歩くと…あつい、あつい、焼けそう。
四つの足が、小石の上をダンス、ダンス。
四つの足が、草にふれるとくすぐったい。
いってぇーっつ!
四つの足で、でこぼこ道を歩く。
ぬかるみの中へ。
水しぶきが飛び跳ねて、バシャバシャ!

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