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ネズミ、シジュウカラ、イタチ・・・美しくかわいい!

| 2024年04月05日 05:00 | 吉村正臣 |

Fanny Ducassé ファニー・デュカセ(フランス)

Le rat la mésange et le jardinier
ネズミとシジュウカラと庭師

フランス語:翻訳付
出版社:EDITIONS THIERRY MAGNIER

 

1986年生まれのファニー・デュカセは、学位を取得するまで現代文学を学びました。この分野で成功を収めましたが、絵を描くことや服飾のセンスを発揮したく、ファッションの名門校・パリ・クチュール組合学校で学び、次第にイラストレーションと子供時代の世界に強い魅力を感じ、イラストレーションの世界に入った異色の経歴の持ち主です。イラスト・ユーロでは、彼女の多くの作品を紹介しています。

この物語に登場するネズミは、自分の体が見苦しいとコンプレックスに思っており、他人の視線を浴びるよりも、屋根裏部屋にある自分の巣穴に隠れ住んでいました。
ある朝、ネズミは思い切って外に出ました。彼はシジュウカラの美しさに目を奪われます。これが災難の始まり。大変な苦労をして、新たな出会いがありました。
子供たちの心を明るくし、「違い」にふさわしい「豊かさ」を与えてくれるでしょう。

ファニー・デュカッセによる、ほぼ正方形の絵本は、線の繊細さと、詩的な言葉による上品な作品です。ネズミ、シジュウカラ、イタチの庭師・・・みんな、とてもかわいくおしゃれで、ユーモラスに。また木々や木の葉は、本当に緻密に細部まで描き込んだ作品です。といって、部分にとらわれていることなく、バランスよく構成されています。細いペンで描き、そこに透明水彩か、で着色。その際、重ね塗りをし、微妙な色の変化を作っています。彼女らしい個性の生きた作品。色彩が美しい!

≪翻訳の一部≫   翻訳:南乃まあ

昔々、ほこりっぽい屋根裏の奥に、一匹のネズミが隠れて暮らしていました。
彼は、自分の部屋を、人形の家のように改装していました。
小さすぎるので、できるだけ快適に過ごせるよう、自分好みに飾っていました。
このネズミは自分がとても醜いと思っていたので、あまり外出はしません。
もし小道や堤防にいるところを見られたら、人々はびくっとし、逃げ出すでしょう。
ですから、いつか自分のイメージが変わることを期待して、
雑誌を見て、一生懸命、お化粧をしていました。

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