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詩のようなタッチ。さまざまな動物が「私」を語ります

| 2015年06月03日 13:21 | 吉村正臣 |

Solenn Larnicol ソラン・ラルニコル (フランス)

Le livre des moi
複雑なわたし

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フランス語 翻訳付

パリにある美術系の高校で学び、文学バカロレア(高校卒業・大学入学資格)を取得後、イラストレーターとして活動を開始します。2011年ボローニャ絵本原画展に入選。現在はパリに住み、郊外のモントルイユにアトリエを構え、制作しています。絵本のほか、ウォール・アート、ショーウインドーなどにも描いています。

絵本の原題はLe livre des moi(さまざまな「私」についての本)。ひとりになりたい。でも誰かといたい。ほかのひとから離れたり、また近づいたり。みんなと同じようだけど、やっぱり違う「私」。テキストは、詩のようなタッチ。さまざまな動物が「私」を語りますが、それはそのまま、人間の社会にあてはまります。

若い方から大人の人まで読んでいただきたい、文章がなかなかよい絵本です。ご自身も感じたことのある「想い」を持つことでしょう。別冊に日本語訳をつけました。
絵は、それぞれのページの「わたし」の言葉に対応しています。森の中、保護色でうまく姿を隠しながら、また時には主役になり、生きている動物と背景の木々が細やかに描かれます。文章で語る、見えたり見えなかったりする自分を、動物と森の関係で示しているのでしょう。

水彩絵の具で、線はしっかりと、面は水分を含ませぼかしを使いながら淡く塗っています。動物たちの模様が楽しいです。落ち着いた色合いで、テキスタイルにしてもよい作風です。

<翻訳の一部>  翻訳:泉 りき

ひとりぼっちになると、ついちょっかいを出してしまう。
誰かにかまってほしくて。
そんな自分がいる。
誰にも頼らず、自力で生きていければ
ここを離れて、どこかへ行ってしまいたい。
そうすれば何も怖くない。
そんな自分がいる。
今より遠くへ跳べたら
仲間のいるところに行き
そこでずっと、いっしょに過ごすんだ。
そんなことを考える自分がいる。

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