ヨーロッパの一流イラストレータ イタリア、フランス、ベルギー、ドイツで活躍中のアーティストを紹介
   
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ぼくのイラストを皆さんに見ていただけることを、とてもうれしく思います。

| 2013年08月16日 19:04 | 吉村正臣 |

” Amo la vostra cultura e il vostro stupendo paese. Sono davvero felice che le mie immagini possano compiere tutta questa distanza e arrivare fino a voi! ”
日本の文化が好きです。イタリアと日本の距離など関係なく、ぼくのイラストを皆さんに見ていただけることを、とてもうれしく思います。

Marco Somà マルコ・ソマ (イタリア)
1983年生まれ。アカデミックな絵の勉強とともに、イラストレーションを学ぶ。2011年、13年のボローニャ国際絵本原画展で入賞。イタリアで期待されているイラストレーターです。この8月に、イラスト・ユーロのフェイスブックに「いいね!」を入れてくれ、知り合いになりました。ボローニャ国際絵本原画展であなたの絵を見た、日本で紹介したいというと、メッセージとともに絵を送ってくれました。

A RAINHA DAS RÃS NÃO PODE MOLHAR OS PÉS
女王ガエルは、危険なことに首をつっこまない

Cover_frog

ポルトガル語(イタリア語、スペイン語、フランス語でも出版されている)

非常に繊細で、ち密に鉛筆の線描きで仕上げ、それに水彩絵の具で色を付けています。虫眼鏡で細部を見ると、同じ筆圧で、等間隔にきちんと方向を合わせ鉛筆線が走ります。根気よくていねいに描いたのでしょう。
主役のカエルたちは擬人化され、洋服、動作が、まったく人間と同じように表現されています。
一方、その背景となる草や葉が、大変リアルに描かれています。忠実な描写です。そして、その草や葉が占める割合が、カエルたちと同じぐらい。絵によっては、カエルが取り囲まれてしまっています。
この草や葉のリアルさが、擬人化されているカエルの動作さえ非常に現実的に感じさせることに成功させているのでしょう。
さらに、草や葉の色合いとカエルたちの顔の色合いがよく似ています。洋服の色が少し違うのですが、色が統一されていることから、自然物とカエルが一体となって、一層リアルな絵になっていると思います。よく考えられた絵です。
カエルたちの目を見てください。目玉の立体感がよく出ていますね。その他、体のわずかな立体感など、コンピュータを使い表現しています。
作者のマルコのメールによると、「私のイラストはすべて、鉛筆とデジタルコラージュでできています」とのことです。
(Tutte le mie illustrazioni sono realizzati con una tecnica mista: pencil e digital collage.)

marco-Tavola_Rane02

marco-Tavola_Rane05

Il bambino di vetro
ガラスの少年

copertina

イタリア語

私個人的には、こちらの絵がいいと、マルコに言いました。
この絵も鉛筆に水彩絵の具で仕上げています。こちらも、大変ち密な仕上げで、線がきれいです。
例えば、木の枝、そして分岐して伸びる小枝、それが実にリアルです。枝それぞれ形が違い、枝の先が震えるようにとがって空気に突き刺っているようです。よく観察して描いています。
このモノトーンの繊細さが、物語の、もしくは主人公の少年の精神性を表しているようです。
けっこう空気感がある絵です。ガラスや石塀の向こうとこちらを、描いているから、画面に空間性が出て、空気が描かれている。さらに、ガラスや石塀という硬質で無機質な区切りを配しているため、冷たい空気感を感じ、余計、「少年の精神性」を鋭く表しているのではないかと思います。
作者は意図して描いたのかどうか、わかりませんが、なかなかち密な人だな…と思いました。

これからの活躍も楽しみです。

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