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広場にたくさんの露店が集まる市場、人々はワクワクします。

| 2023年02月01日 05:00 | 吉村正臣 |

Vessela Nikolova  ヴェッセラ・ニコロヴァ (ブルガリア)

Au marché
市場に行こう

フランス語 翻訳付
出版社:Seuil jeunesse

 

1975年生まれ。1986年に家族とともにイタリア・ミラノに移住。美術学校を卒業後、ミラノのNABA(新芸術アカデミー)でファッションデザインを学び、さらにインスティチュート・カルロ・セコリ校で、パターンを学びます。卒業後は、高級ブランドのプレタポルテ部門のデザイナーになります。2011年から絵本のイラストレーターとして活動を開始。これまでに4冊の本を出版。この絵本が最新作です。出身であるブルガリアの木工、革製品、1960年代から1980年代にかけての絵本の収集をしています。

旅に出かけたら、その地の朝市が楽しみ!という方も多いです。今回の絵本は、広場に立つ市場のお話です。風邪で学校を欠席している女の子とおばあさんが市場に出かけます。衣料、雑貨、食品など、おびただしい数の露店の間を、ふたりは進んでいきます。市場に人々を引き寄せる見えない糸にみちびかれて。目で見て、さわって、においをかいで、時には試食。市場でしか買えない、ほりだしものを探すやり方は、私たちと同じかもしれません。

フリーハンドですばやい下書きの上にオイルパステルや色鉛筆などで描き、水彩絵の具で色づけしています。デッサン力のある人で、人々の動き、さまざまな品物が緻密に、大胆に描かれます。絵を見ているだけで、一般の小売店ではお目にかかれない商品や展示、店の人とのやりとりの楽しさが感じられ、わくわくします。おばあちゃんと孫のやりとりも、のんびりでいい感じ。ぜひ、この絵本を見ながら、市場の雰囲気を味わってください。

≪翻訳の一部≫   翻訳:泉 りき

広場の中央に、市が立っていた。商人たちは夜が明けるとテントを張り、シートを広げ、スタンドを立てる。大きな花が開いたみたい。
人が集まってくる。お目当ての店にまっすぐ来る人、行ったり来たりする人、あたりをひととおり見る人など、いろいろ。
ふだん学校にいると、市を見ることはできない。学校を出るころ、市はすっかり片づいている。
手袋以外に、おばあちゃんはパジャマや電気器具、アーダおばさんへのプレゼントのことも話している。
わたしにも何か買ってくれるかもしれない。

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