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ファンタジーと不条理が結びついた、笑いを追求

| 2019年09月11日 10:30 | 吉村正臣 |

<パリで見つけたイラストレーション>

Jérémy Boulard Le Fur  ジェレミー・ブラール・ル・フュル(フランス)

1986年生まれのフランスのイラストレーション、映像作家です。パリ国立装飾美術学校のアニメーション部門で学び、2008年交換留学で4か月間、米国カリフォルニア芸術大学に学びます。3次元のキャラクター制作、アニメーションの基本技術をこの留学で身につけ、卒業制作作品はアヌシー国際アニメーション映画祭に出品され、期待の若手アーティストとしてデビューを飾ります。

卒業後はアニメーションを駆使した広告、ビデオクリップ、短編映画の制作や展覧会、作品出版を精力的に行っています。2010年には、東京イメージフォーラムに短編アニメを出品しました。ファンタジーと不条理が結びついたときに起こる、あいまいな笑いを追求しています。デヴィッド・リンチやデヴィッド・クローネンバーグの作品からの引用も見られます。映像表現では、旧ソ連時代から活躍するアニメーション作家ユーリ・ノルシュテインやイゴール・コバリョフらの影響を受けたと語ります。

身体や顔をテーマにすることが多く、人間の不器用さ、ゆがんだ顔やグロテスクな身体に強い関心を持ち、そこに潜む感情を描こうとしています。たくましいデッサン力と、鉛筆でしょう、よく計算したモノクロのコントロールで、凹凸、遠近、さらには質感を表現しています。練りゴムやサッピツ(フランスにはなかったが?)を使ったような鉛筆の消し跡がきれいです。鉛筆の上に、淡彩で着色した作品もあり、淡いがコントラストの美しい作品も描いています。

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