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ペローの名作をガブリエル・パチェコが美しく仕上げた

| 2019年09月15日 21:05 | 吉村正臣 |

Gabriel Pacheco ガブリエル・パチェコ(メキシコ)

Le chat botté
長靴をはいた猫

フランス語 翻訳付
出版社:minedition

 

イラストレーターのガブリエル・パチェコは、メキシコ生まれ。メキシコ国立芸術学院付属演劇学校に学び、シルクスクリーンのディプロマを取得。1997年からイラストレーターとして活動しています。詩的で繊細な画風が認められ、数多くの国際コンクールに入賞しています。<Tres nińas>で韓国CJ絵本賞受賞、アストリッド・リンドグレーン記念文学賞ノミネート、2007年ポルトガルのイラストレーションビエンナーレIlustrarteに選出。2007,2008,2011年ボローニャ国際絵本原画展に入選。<Hago de voz un cuerpo>で、2009年ボローニャ・ラガッツィ賞特別賞(New Horizon部門)を受賞。これまでに30冊近い絵本をメキシコ、スペインなどで出版していま

シャルル・ペローの名作です。「こんな猫がいてくれたら!」と願わずにはいられない逆玉の輿物語。貧しいけれど、心やさしく正直な三男坊。粉ひき職人の父親が亡くなり、兄ふたりと遺産分けして手に入れたのが猫一匹。ところがこの猫、並外れた頭のよさと機転の持ち主で、あれよあれよという間に、三男を伯爵に仕立て、お金持ちの城主にし、何と最後は王女と結婚まで持っていきます。王様への贈り物作戦、偶然を装い、王様とお近づきになる策、そして知恵を働かせ、強敵・人食い鬼を食ってしまう。そんな猫に脱帽です。

ガブリエル・パチェコが描くと、登場人物、ファッション、すべてがおしゃれになります。この物語は中世、お城の様子が精密に描かれます。全体に濃いグレーの空間に、動物たちや人間がリアルでありながら、愛着のあるデフォルメです。顔の表情がいかにも声を発しているよう。筆で描いているのでしょうね、たいへん細やかで深さがあります。CGも使っているのでしょうか、グラデーションがキレイです。ポイントに入る赤、所々使われるブルーが美しいです。

<翻訳の一部> 翻訳:泉 りき

粉ひきの男が亡くなった。遺されたのは、粉ひき小屋とロバそして猫だった。遺産分割はとどこおりなく終わった。長男が粉ひき小屋、次男がロバ、三男には猫だけだった。三男はうらめしげに言った。「兄さんたちは、力を合わせて働けば、何とかやっていけるだろうけど、猫をもらったところで、何の役にも立たないよ」それを聞いた猫が、落ち着き払った声で「ご主人様、嘆くことはありません。大きな袋と長靴をご用意いただければ、ご主人様が心配なさっているようなことは起こりません」三男はかつて、この猫がネズミをつかまえようとする懸命な姿を覚えていたので、猫の言い分もまんざら噓ではないと思った。

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