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クマや鳥たちの擬人化が楽しい!若々しいイラストです。

| 2023年08月17日 21:30 | 吉村正臣 |

Géraldine Alibeu ジェラルディン・アリブ (フランス)

Jean-Kevin
ジャン=ケヴィン、歌手になる

フランス語 翻訳付
出版社:A pas de loups

 

ジェラルディン・アリブは、フランスのイラストレーターです。アルプスに近い町に生まれ、現在はパリ在住です。幼少期から工作が得意で、漫画を描いていました。ストラスブール装飾美術学校(現在のHEARHaute Ecole des Arts du Rhin)で、著名なイラストレーターを育成するクロード・ラプワントの指導を受け、イラストレーションの道に。コラージュ、刺繍、マーカーなどさまざまな技法を組み合わせますが、そのはじまりはクロッキーで描いたイメージに色つけをすること。2001年から絵本の世界で活躍し、ボローニャ絵本原画展に何度も入賞しています。

森に住むクマのジャン=ケヴィンは、過保護な母親と平凡に暮らしていました。同じく森に住む鳥のプリンヌの歌声にあこがれ、歌手になろうと弟子入り。最初は相手にしなかったプリンヌでしたが、ジャン=ケヴィンの熱心さにほだされ、指導を引き受けます。修行を重ねジャン=ケヴィンが16歳になったとき、プリンヌはいいました。「街に出てすぐれた先生から学びなさい」と。

愉快な絵です。動物のデフォルメが楽しいです。動物や木々など、手で描いたものをPCのグラフィックソフトで仕上げをしているようです。絵の具のムラ、筆のタッチがこの物語とマッチし深みのある素敵な絵本となっています。この作家の特徴がよく出ています。

<翻訳の一部>   翻訳:泉りき

そんなある日、ジャン=ケヴィンは、鳥のプリンヌともどもトリュフをゲットした。
プリンヌは森いちばんの美声の持ち主だ。枝に止まったまま、歌う。メロディは木のいちばん上まで届くと、雪といっしょに舞い散る。
ジャン=ケヴィンは、その歌声にどぎもを抜かれた。感動で脚を踏みならし、大喜び。
クマには羽根がないから、飛べない。それなら歌は?歌うならできるかも。
ジャン=ケヴィンは鳥のまねをしてみるが、のどから出るのは、調子はずれの音だけ。
鳥のプリンヌは、歌えるようになりたいジャン=ケヴィンをまともに相手にしない。

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