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チョウの発明にとりつかれた若き創造者の物語

| 2020年07月06日 21:10 | 吉村正臣 |

Wolf Erlbruch ヴォルフ・エァルブルッフ(ドイツ)

L’atelier des papillons
チョウを作った人たち

フランス語 翻訳付
出版社:Éditions Être

 

ヴォルフ・エァルブルッフ(1948年生まれ)は、ドイツの絵本作家でイラストレーターです。大学教授として、後進の指導にもあたっています。エッセンのフォルクヴァンク芸術大学でグラフィックデザインを学び、1985年から絵本の分野で活躍するようになります。これまで30冊近い絵本を出版。1999年と2004年ボローニャ・ラガッツィ大賞、2001年と2014年ボローニャ・ラガッツィ特別賞を受賞。2006年には国際アンデルセン賞を受賞するなど国際的にも高く評価されています。

「この世の万物は、創造者らによって生まれる。そこには厳しい掟があり、新たなものを創造するとき、すでに存在するものを交配してはならず、オリジナルであること」。花担当、鳥担当、は虫類担当と、創造者はそれぞれの研究室で開発にいそしみます。昆虫担当は、どちらかというと出世街道から離れたことを意味します。花のようで鳥のような昆虫「チョウ」の発明にとりつかれた若き創造者ロドルフォと、その夢をかなえるために協力する仲間たちの物語です。この絵本を見たあとは、チョウの美しさにあらためて気づくことでしょう。

なかなか楽しい、描きなれた絵です。人々の体のデフォルメは、人柄を見事に表現しています。人々の微妙な表情を見てください。体をここまで変形させてしまっても、驚きや考えている様子を自然な風に思わせるのは、大ベテランだけのことがあると思わせます。絵は平面的、東洋画のような描き方もあります。落款(らっかん)に「狼」とつけられています。自分の名ヴォルフを狼としてサインがわりとしたのでしょう。この作家の作品によく見られます。

《翻訳の一部》   翻訳:泉 りき

ある日、賢者が若い創造者たちを呼び集めました。
創造者のひとりに、ロドルフォがいました。新しい経験を積みたくて、うずうずしていました。森の奥地にある洞窟で、仲間たちと集まりました。ひそかに話し合うためです。仲間らと「すでに存在する動物や植物を利用しない」というルールにふれず、新たな動植物を創造できるのではないか、と相談しました。

「鳥のように歌う木、リンゴを産む鳥」など、次々にアイデアが出ます。一方、ロドルフォはとてつもないことを夢見ていました。鳥であり、花でもある、両方を兼ね備えた生きものを誕生させられないか、と。ロドルフォはその夢に、すっかりとりつかれていました。

すみません、せっかくですが売り切れました。
絶版ですのでお取り寄せできません。ご了承ください。