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カルルの絵本で、私はこの作品が最もよいと思います

| 2016年03月19日 14:54 | 吉村正臣 |

Carll Cneut カルル・クヌート(ベルギー)

La volière dorée
金の鳥かご

LA VOLIERE表紙

フランス語 翻訳付
出版社: PASTEL(L’Ecole des loisirs)

1969年生まれ。サン・リュック美術学校でグラフィックを学びました。広告業界で仕事をしたのち、2000年ぐらいから子供向けの本を出版。人気作家となりました。ブラチスラバ世界絵本原画展「金のリンゴ」賞、ボローニャ・ラガッツィ賞など、主要な絵本賞を受賞しています。パリの本屋さんにはたくさんこの作家の本が並んでいます。

実話に基づいた絵本です。珍しい鳥を手に入れるために、ばく大なお金を使い、人の命さえいとわない王女がいました。庭には、放し飼いにできる巨大な鳥かごがあり、そこには世界から集めた鳥だらけ。それでも誰も持っていない鳥がほしい。いちばんほしいのは、夢の中に出てきた鳥。王女は宮廷の者たちに命令し、世界の果てまで探しに行かせます。ページをめくると登場する、鳥の迫力と美しさに圧倒されることでしょう。イラストレーター カルル・クヌートの最高傑作が誕生しました。

カルルの絵本をパリで見つけて、もう15年ほどになります。その間、さまざまな作品を見てきました。イラスト・ユーロでも多くをご紹介しました。独特の人物デフォルメと、色彩が印象に残ります。
この作品は、それらの中で、最も優れたモノだと、まったく個人的なのですが、思います。いつもの人物が出てきます。が、鳥がダイナミックに、奇妙に、たくさん描かれています。その描き方が、非常に精密でリアル。でも、イメージの鳥なのです。画法は、まるで日本画を応用したよう。墨画に色を入れたようなモノもあります。細い鉛筆の線、塗り込みそしてそれを殺した上塗り、絵の墨に目立たないよう描かれた記号のような絵、隅々まで飽きさせません。すごい絵本です。

≪翻訳の一部≫   翻訳:泉 りき

王女の名前は、ヴァレンティーナ。こらえ性のない、手に負えない子だった。
390足の靴、812の帽子、50本のヘビ革のベルトを持っていた。
それより何より、偏愛していたのが鳥だった。

自分だけの庭に、101の鳥かごがあった。とにかく巨大で、人間が住めるほどだった。
そこには羽根もくちばしも、見事な鳥がいた。
そんなこともあって、この庭には、世界中から見学者が訪れた。

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