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ガブリエル・パチェコが、サイレント絵本を出版!

| 2025年09月07日 05:00 | 吉村正臣 |

Gabriel Pacheco ガブリエル・パチェコ (メキシコ)

La sirenetta
人魚姫

文字のない絵本
参考:『人魚姫』のあらすじ付
出版社: Logos

 

イラストレーターのガブリエル・パチェコは、メキシコ生まれ。メキシコ国立芸術学院付属演劇学校に学び、国立芸術センターで美術史のディプロマを取得。1997年からイラストレーターとして活動しています。詩的で繊細な画風が認められ、数多くの国際コンクールに入賞しています。<Tres nińas>で韓国CJ絵本賞受賞、アストリッド・リンドグレーン記念文学賞ノミネート、2007年ポルトガルのイラストレーションビエンナーレIlustrarteに選出。2007,2008,2011年ボローニャ国際絵本原画展に入選。<Hago de voz un cuerpo>で、2009年ボローニャ・ラガッツィ賞特別賞(New Horizon部門)を受賞。これまでに30冊近い絵本をメキシコ、スペインなどで出版しています。

文字のない絵本です。物語は、アンデルセンの有名な童話「人魚姫」を、彼独特の絵のみで展開します。

≪ガブリエル・パチェコによるプレゼンテーション≫
海の底には海の民が暮らし、壮麗な城には、半人半魚の王様と娘たちが住んでいます。末娘は、祖母から聞いた地上の世界のすべてに魅了されます。15歳の誕生日に、ついに人魚姫は地上に上がることを許されます。そこで難破船を目撃し、王子を救います。王子に激​​しく恋に落ちます。地上に戻って永遠に王子と共に過ごすことを決意した人魚姫は、海の魔女と契約を結び、声と引き換えに足を手放します。王子の愛を勝ち取れば幸せになれるが、そうでなければ海の泡に変えられてしまう…。

この作家の画風がよく示されたブルーの美しい作品です。ブルーの絵の具が乾かない間に、水分量を変えた暗い他色を淡く重ね、時には拭き取ったりし、重厚さを作り、深い静けさを与えています。また、深海の、大海原の、空の奥行きの広さが表現され、物語の緊張感、そして怖さが生まれています。まさに広大な空間から言葉が聞こえてくるような絵です。
筆のタッチや画用紙をこすったムラなどが、効果的。一方、船や岩、月が鋭く描かれ表現を豊かにして、繊細でもあります。
世界にファンを持つ作家だけのことのある作品でしょう。

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