ヨーロッパの一流イラストレータ イタリア、フランス、ベルギー、ドイツで活躍中のアーティストを紹介
   
SSL グローバルサインのサイトシール
 

表紙に金を、随所にレースのように繊細な切り抜き

| 2016年01月01日 09:00 | 吉村正臣 |

CHARLOTTE GASTAUT シャルロット・ガストー (フランス)

L’OISEAU DE FEU
火の鳥

バレエ・火の鳥(ストラヴィンスキー)による

l'oiseau表紙

フランス語 翻訳付

出版社:amaterra

作者はマルセイユの出身。パリのESAG Penninghen美術学校を卒業後、女性誌を中心に活動します。2001年はじめての絵本を出版します。その後は、千夜一夜物語、眠れる森の美女、ロバの皮など、有名なお話を題材に、絵本を描いています。曲線を多用した装飾的なスタイル、アーモンド型の大きな目の登場人物が、彼女の作品の特長です。
ロシアの音楽家・ストラヴィンスキー作曲のバレエ音楽「火の鳥」に基づいています。幸せを運ぶ火の鳥、それを追い求めるイヴァン王子、愛する王女、そして魔王カスチェイが織りなすハッピーエンドの物語を、表紙に金をあしらい、中ページには、随所にレースのように繊細な切り抜きで表現した豪華な絵本です。
切り抜きが、次ページの絵と重なり合い、重厚な絵になるように工夫されています。切り抜きの技術が発展し、取り入れ方に円熟感があります。この絵本はその一例でしょう。
ロシア民話に基づきますから、絵はその雰囲気があり、黒をベースにした色合いが華やかです。服装やお城の模様は、とても細かくカラフルに描かれ、力があります。木々はキレイなパターン模様が見事。この作家らしい絵で、高級感があります。

≪翻訳の一部≫  翻訳:泉 りき

ある日、イヴァン王子は、魔法の森の中で道に迷ってしまいました。
ずいぶん歩き回り、金のリンゴをいっぱいつけた木に出くわしました。
木の根っこのところに、これまで見たこともないような、たいそう見事な鳥がいました。優雅に飛び跳ね、羽を輝かせていたのです。
イヴァン王子は、その火の鳥をつかまえました。皇帝である父の宮殿に連れ帰ろうとしたのです。
かごに入れられた火の鳥は、恐ろしさでふるえました。
王子に「どうか自由にしてください」と懇願したのです。
あわれに思った王子は、かごを開けました。

l'oiseau1-850L'oiseau6-850切り抜き3

切り抜き2