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メキシコの作家。深く美しいモノトーンとデッサン力。

| 2013年09月21日 08:02 | 吉村正臣 |

Gabriel Pacheco ガブリエル・パチェコ(メキシコ)

La bruja y el espantapajaros
魔女とかかし

gabriel pacheco表紙

タイトルなどスペイン語(文字のない絵本)

メキシコの作家ですが、パリで見つけたので、ご紹介します。

文字がない絵本です。ですから、絵だけで内容を知ることは、少し難しいのであらましを記載しておきます。
『魔女の一団が、夜の空を飛んでいる。その中にひとりだけ、無器用な魔女がいて、みんなに遅れたり、落下したり。その姿を、地上からかかしが見ていて、魔女を助けるためにある決断をする。・・・』
絵は、たいへん緻密で素晴らしい。人物、木々など細かく観察されて細い筆でリアルに描かれています。それらのカタチから、確かなデッサン力を持つベテランだな、と思われます。とくに、色合いがいい。深い、そして豊かなモノトーン、色彩の魔術師とはこのようなことを言うのか、と思わせます。日本の屏風の墨絵を見ているようです。かかしが日本と違うので、また、表情が豊かなので楽しい。

Gabriel Pacheco(ガブリエル・パチェコ)プロフィール
メキシコ生まれ。詩的で繊細な画風は、数多くの国際コンクールで認められている。Tres niñasで韓国CJ絵本賞受賞、アストリッド・リンドグレーン記念文学賞ノミネート、2007年ポルトガルのイラストレーションビエンナーレIlustrarteに選出。2007,2008,2011年ボローニャ国際絵本原画展に入選。Hago de voz un cuerpo で、2009年ボローニャ・ラガッツィ賞特別賞(New Horizon部門)を受賞。同作品は、米国グラフィックアート協会の50冊に選ばれた。これまでに30冊近い絵本をメキシコ、スペインなどで出版している。

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