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パリの街角で偶然に見つけ、編集部にお邪魔し、買い付けました

| 2016年12月15日 10:16 | 吉村正臣 |

Sarah Lembo サラ・ランボ(フランス)

À poils, à plumes et en costumes
グルーミング

a poils表紙650

フランス語
出版社:MAGELLAN ET CIE

グラフィックデザイナー。ジャン=ポール・ゴルティエ、LANVIN、BURBERRYの香水パッケージデザイン、フランス国鉄のカードデザインなどを手がけました。世界一周旅行をしたのち、豊かな自然と人びとに魅せられ、フランスの海外県・レユニオン島で暮らしています。2010年に出版した “Femmes malgaches – Magnagny Gasy” は、NGO「国境なき医師団」賞を受賞しました。レユニオン島での暮らし、世界旅行の経験が、作品にも生かされています。この絵本の出版社 Magellan & Cie は、1999年パリに誕生。あらゆる地域、さまざまな時代の、旅する作家の作品(小説、旅日記、写真集など)を手がける個性的な出版社です。2008年からは絵本も手がけるようになりました。この絵本は、パリの街角で偶然に見つけた Magellan & Cie 編集部にお邪魔し、直接買い付けました。

語り手は、広大な砂漠で生きてきたトビネズミのアステール。アステールの旅の思い出が、14の物語になっています。悩みをかかえたトラ、気象予報士並みのマーモット、愛らしいオマールエビ、勇敢なオウム、うそを見抜くトナカイなど、旅の途中に出会うさまざまな動物たちが、魅力的です。地球上の生きものへのやさしいまなざしと、動物が暮らせる環境の大切さが、夢幻のようなタッチで描かれています。

奇妙な絵ですね。子どもの絵本として描かれたのでしょうが、きっと、個性派の大人が手に取るのではないでしょうか。動物の頭、表情、衣装が明細に描かれます。どのようなところから発想したのか、古典の魔術本か、占いカードか、舞台衣装か、イラストレーションの世界でしか見られない絵です。優れた表現力のもと、ここまで異様に、ていねいに作品化すると、立派な画集になるのですね。すべてマーカーで描いたのでしょう。色彩が滲まずきれい、グラデーションも見事です。

(翻訳はありません)

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