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2013年に出版したこの絵本は、数々の賞を独占した超話題作

| 2017年08月18日 17:27 | 吉村正臣 |

Mélanie Rutten  メラニー・ルッテン (ベルギー)

L’ombre de chacun
誰かがそばに

l'ombre表紙

フランス語 翻訳付
出版社: Editions Memo

ベルギー出身(1974年生まれ)。幼少時、中央アメリカやアフリカで暮らしたことがあります。ブリュッセルのESA Le 75(国立高等映像美術学院)で写真を学ぶかたわら、有名イラストレ-ターにイラストレーションを学びます。サン・リュック美術学院でモンセ・ジズベルトに、アトリエ・ゴーメットでキティ・クローザーに師事。2006年フランスの出版社から、絵本デビューします。

2013年に出版したこの絵本<L’ombre de chacun>で、作風を大きく変えました。絵本は2013年モントルイユ絵本展入賞、2014年ボローニャ・ラガッツィ賞、フランス・セーヌ=サン・ドニ県の書店が選ぶFolies d’encre賞、男女の平等に貢献する絵本を選ぶBrindacier賞、ベルギーフランス語圏のすぐれた絵本のためのFernand Baudin賞など、数々の絵本賞を受賞。ロングセラーを続けています。

森に迷いこんだ子ウサギを、シカは大切に面倒を見ます。ずっとシカといっしょにいたいウサギですが、ある日、ささいなことで飛び出してしまいます。途中、子どもの戦士とネコに出会い、いっしょに火山をめざすことに。それぞれに悩みやさびしさをかかえながら、ときにはけんかし、ときには互いを励ましあいます。そして火山を登り切ったとき、ウサギ・子ども・ネコの心に変化が生まれます。出会い、別れ、おそれ、対立、理解…こどもが経験するさまざまな試練が描かれます。特に子ウサギとシカの互いを思う心にジーンときます。

この作品を描く前は、写真を組み合わせたコラージュ作品を制作していました。この作品でイラストレーションの道を開き、この絵本で一気に名前を知られるようになりました。マンガ(バンドデシネ)に近いようですが、コマ割りをせず、各シーンを白場に自由に配置しテキストをつけています。ヨーロッパでは新しいスタイルだったようです。中国の墨を使いペンで細い線で輪郭など描き、そこに水彩絵の具で色を塗り重ねています。鮮やかな色彩がキレイです。

≪翻訳の一部≫   翻訳:泉 りき

ある日のこと、子ウサギが来た。風がある日で、何かの影が揺れていた。
動物の子どもは、ときどき風のようにやって来る。
ときどきは、大騒ぎしながら。
シカは、何もかも教えてやらなければならなかった。
子ウサギはシカをすっかり信頼していた。

シカは子ウサギの面倒を見た。
子ウサギの調子が悪いと、シカも悪くなった。
シカが心配そうだと、子ウサギも心配になった。
楽しいときは、どちらともなく大笑い。
眠るのも、ほぼ同時。

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