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シュールで懐かしさがある作品、おおきな話題を呼びました。

| 2020年12月28日 09:50 | 吉村正臣 |

Frédéric Clément  フレデリック・クレモン (フランス)

Monsieur Ravel rêve sur l’île d’Insomnie
ラヴェル氏と眠らない島-この海の果てまで

Monsieur Ravel 表紙fbcom

フランス語  翻訳 ・ 音楽CD付き

物語は、蒸気機関をとりつけたピアノに乗り、退屈な「眠れない島」からの脱出を決意したラヴェル氏。より遠くへと連れていってくれる、すばらしい波を待ちわびます。その間、島の海岸には、オペラ「子供と魔法」に登場するティーポットや中国茶碗、さらにぜんまいじかけのおもちゃのサル・ジブラルタルがやってきて、ラヴェル氏の船出に協力します。

これはもうイラストではなく美術作品です。しっかり塗り込まれた重厚な画面に、貝殻やボタン、真珠の玉などが置かれ、これを絵と写真合成完成したのでしょう、奇妙なリアル感と、夢のような絵に仕上げられています。

フレデリック・クレモンの空想の世界が、繊細でノスタルジック、深さを感じる絵で展開。この作家の独特の味わいが、この絵にもよく出ています。
彼は、1983年ブラチスラバ世界絵本原画展(BIB)グランプリ、1996年ボローニャ絵本原画展で、ボローニャ・ラガッツィ賞受賞。イラスト、グラフィック、写真を組み合わせた独自の作風で、新作が話題になる作家のひとり。

<翻訳の一部>  翻訳 : 泉りき

それ以上に大きいものなど、とうてい住めないほど小さな島。
それが、≪眠れない島≫だった。
ラヴェル氏は、この島で退屈な夜を過ごす。

それは砂の粒、あるいはケシの実なのか
パヴァーヌの種、それともバラの棘

そのうちに、古い柱時計のふたつの歯車のせいで、隠れてみえなくなった。
砂の粒子か、ケシの実か、パヴァーヌの種か、それともバラの棘か、判別できない小さなものが
大時計のふたつの歯車のあいだに、刺さってしまい、時間が止まる。ぴたりと。
過去も未来もないほど、きっぱりと。
大時計は、何度も同じことをつぶやく。
分を示す長い針が、12から先へ進もうと躍起になる。
何とか前へと、もがく長針をよそに、時を打つ振り子の音は、いっこうに鳴りやまない。
飽きもせず、延々と響く音で。
3時。どれだけ時間がたってもずっと、今は3時なのだ。

<音楽CD  収録曲の一部 (順不同)>

・夜への前奏曲(管弦楽曲「スペイン狂詩曲」より)
・ああ!僕の綺麗な中国茶碗が!(オペラ「子供と魔法」より)
・海原の小舟
・昆虫、雨蛙の大合唱 ほか(オペラ「子供と魔法」より)
・スペインの時計
・水の戯れ
・中国茶碗の歌<ケング・サー・フー、マー・ジョング>、
ティーポットの歌<ご機嫌いかが?>(オペラ「子供と魔法」より)
・夜明け(管弦楽組曲「ダフニスとクロエ」より)
・ファンファーレ(合作「ジャンヌの扇」より)
・ペルペトゥウム・モビレ(常動曲 「ヴァイオリン・ソナタ」より)
・美女と野獣の対話(組曲「マ・メール・ロワ」より)
・猫の二重奏(オペラ「子供と魔法」より)
・パゴダの女王レドロネット(バレエ音楽「マ・メール・ロワ」より)
・亡き王女のためのパヴァーヌ
・算数の歌<2本の蛇口からひとつの桶に水が流れる>(オペラ「子供と魔法」より)
・ボレロ      などなど

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