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ルーブルの「ガブリエル・エストレとその姉妹」にヒント

| 2020年06月21日 20:16 | 吉村正臣 |

Bobi+Bobi ボビ+ボビ (フランス)

Ma soeur et moi
女きょうだい-ロルナとリエット

ma soer表紙700

フランス語  翻訳付

イラストレーターは、Bobi+Bobi。経歴はほとんど不明です。わかっているのは、フランス生まれの女性であること、2010年に開催されたヴェネチアのイラストレーションコンクールTeatrioに入選したこと。詩や物語を題材に描き、絵本を出版。また新聞や雑誌に絵を提供しています。
出版社によると、表紙のイラストは、16世紀の絵画で作者不詳の有名な作品「ガブリエル・エストレとその姉妹ビヤール侯爵夫人」(ルーブル美術館蔵)にヒントを得たものだそう、構図が同じですね。

「姉妹の物語。嫉妬、対抗心、ちょっとした仕返し…だけどこうした感情は、愛情とほどちかい」と絵本の裏表紙にあります。年の近い姉妹とは、小学生であっても(小学生だから?)ここまで牽制しあうものなのか、と驚きます。姉のロルナ、妹のリエット。互いにいたずらや意地悪の限りをつくすのですが、いざという場面ではしっかり協力しあいます。

おそらく若い作家でしょうが、なかなか上手な人です。デッサン力もあるし、その崩し方も、また絵をプレゼンする方法もわかっているようです。
現在、何冊か出版されていますが、子供向けと大人向けの絵の表現法が少し違えています。子供向けは思春期前の自我が芽生え始める頃の不安定さを描いています。大人向けは自由に絵の才能を開いています。
この絵本は、オーソドックスに不透明水彩+鉛筆で描き、端正な美しい画面を作っています。顔の描き方に基本的なデッサンを学んだことが分かります。絵を勉強するのにも役立つ作品です。

≪翻訳の一部≫ 翻訳:泉りき

リエットは小学生になる。「これからは私のことをジュリエットと呼んで。リエットはだめ。ミエットはもっとだめよ」。
会う人ごとに言っている。デパートで見たのと同じような、真新しい青のランドセルを背負い、ポーズをとる。
その姿を見て、姉のロルナがばかにする。「ふぅーん。小学一年なんて、とっくの昔。クリスマスのプレゼントに人形だって。赤ちゃんみたい。人形も、ランドセルもそう。私なんか、リュックよ!」

 

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