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オレンジとグリーンがキレイ!物語もオモシロイ優れもの!

| 2019年09月21日 23:28 | 吉村正臣 |

Delphine Jacquot  デルフィーヌ・ジャコ(フランス)

Marions-les !
ありえない結婚

フランス語 翻訳付

出版社:L’Étagère du bas

 

フランス西部・レンヌの美術学校で、広告グラフィックデザイン、レイアウトを学びました。その後3年間、ブリュッセルの美術学校へ留学します。帰国後まもなく、大手出版社からデビュー作を出版します。コラージュ、鉛筆、マーカー、アクリル絵の具などを組み合わせて制作。すでに20冊近い絵本を出版し、2015年にはイラストレーション大賞、リール・アンサンブル賞を受賞しています。

イラストもお話も、笑いがいっぱいのおもしろさです。一言でいうと、ニンジン(嬢)に恋するモテウサギのお話です。当初はウサギの一方的な恋心でしたが、その一途さにニンジンもこたえます。市役所ではれて結婚式を迎えますが、病気の市長にかわり、式を執り行ったのが下心ありありのキツネでした…。

展開する物語をながめ、ことの成り行きを混ぜ返したりツッコミを入れるのが、画面下段に配置された、クモとミミズのコンビ。舞台の袖にいる狂言まわしのように、このコンビがおもしろさを盛り上げます。

明解な色彩のダイナモックな絵が目に飛び込み、思わず手に取りました。白い紙にオレンジとグリーンの強い色、その間を取り持つ紺色がバランスをもたらしています。色鉛筆でていねいに形づくり、そして塗りこんでいます。一部に水彩透明絵の具、マーカーも使っているのでしょう色彩に深さを出しているように見えます。何より、細かなことは省略が大胆な表現が魅力です。オレンジ色がきれいで、絵本の構成にも驚かされ、大いに感心した一冊です。

≪翻訳の一部≫   翻訳:泉 りき

「むかしむかし、そのまたむかし」
『その、むかしむかしで始まる話は、好きじゃない。おとぎ話はもうたくさん!』
「早ガッテンはいけないよ。この話、妖精なんか出てこない。主役はニンジンなんだ」
『何、それ。料理本も好きじゃないからね』

そこにはウサギが暮らしていました。堅物なタイプではありません。ステキな洋服を身につけ、着こなし上手で、態度も洗練されていました。派手めな色を着るのが好きで、ほかのウサギたちと同じような服装をするのはいやでした。水玉模様と縞模様のコーディネートも、彼にかかればお手のものでした。
「これ、冗談でしょ。ウサギは洋服なんて着っこない」
『たしかにね。普通は、お尻出してるもんね。けど、これはお話だから、そういうこともあるのさ』

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