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森の木々の変化、花をつけた枝、枯れた木々を美しい色合いで表現

| 2016年11月29日 19:58 | 吉村正臣 |

Nathalie Minne  ナタリー・ミンヌ(フランス)

Le petit garçon de la forêt
旅立ち-森に暮らす少年

le petit garcon表紙600

フランス語 翻訳付
出版社:Casterman

絵と文を描いたナタリー・ミンヌは、フランス・ノルマンディ地方のコー出身。ESAG(パリ・グラフィックアート学院)で、デッサンと画像合成技術を学びます。卒業後はグラフィック・デザイン会社で、ビジュアル制作を行うかたわら、絵本作家をめざします。2009年« Le petit voleur de mots » で、絵本デビュー。デビュー作品がリュエイユ=マルメゾン市主催イラストレーション賞を受賞します。オイルパステルによる作画、リノリウム版画、コラージュをミックスし、作品を制作しています。

「住み慣れた場所をいつか離れる日がやってくる」豊かな自然とたくさんの動物に囲まれ、森に暮らす少年は、ある日、そのことに気づきます。人里の村に住む友だちとの出会いが、季節を経て、真の友情を育み、互いがかけがえのない存在になっていきます。少年の成長を見守る森の動物たちは、少年を引き留めるかわりに、その旅立ちを祝います。誰しもが経験する出会いと別れをテーマにした絵本です。

しっかり描いた絵です。どのページも絵が力強く、大判サイズの紙面に負けていません。森の木々のさまざまな変化、葉を豊につけた木、花をつけた枝、枯れた木々などを美しい色合いで表現。見事に木のたくましさを画面に定着しました。厚手の紙の上に絵の具をしっかり深く塗り、上から削ったり、鉛筆で描き加えたり。透明感のある画面もあります。別の紙に描き、コラージュしたと思われる部分が、絵にメリハリをつけ、また物語の展開を示すよう工夫されています。上手で計算の行き届いた作品です。

≪翻訳の一部≫   翻訳:泉 りき

それは夏のことでした。
明るい太陽のもとで、コオロギと背の伸びた草が、かすかな音をたてています。
あたりは、乾いたにおいがしています。木々のある場所にはないにおいです。
森で暮らす少年は、日陰からその場所へ行きたくないのです。
それでも草のある場所へ近づき、日ざしがいっぱいの中で育った赤い花を摘みます。
少年は、村からやって来る、出会ったばかりの友だちを待っています。

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