ヨーロッパの一流イラストレータ イタリア、フランス、ベルギー、ドイツで活躍中のアーティストを紹介
   
SSL グローバルサインのサイトシール
 

愛の絵本の対象年齢は5〜7歳、さすが恋愛大国フランス!

| 2020年09月11日 20:46 | 吉村正臣 |

Natali Fortier ナタリ・フォルティエ (フランス在住)

L’Amour, ça vaut le détour
恋はあせらず

フランス語 翻訳付
出版社:Albin Michel Jeunesse

 

ナタリ・フォルティエは米国生まれ(1959年)で、カナダのフランス語圏・ケベック出身のイラストレーターです。現在は、フランス在住。ケベックのサン・ジャック美術学校を経て、サンフランシスコ美術学院、パリ国立高等美術学校(ボ・ザール・パリ)で学びました。2004年絵本<J’aime>でボローニャ・ラガッツィ賞を受賞。つづいて<Lili Plume>で、フランスの絵本賞オクタゴヌ賞、高校生が選ぶゴンクール賞を受賞しました。造形作家としても有名です。2019年のパリ(モントルイユ)絵本市では、最新作Forêt noireのイラストレーションが、特別コーナーに展示されました。

タイトルの直訳は「愛は遠回りする価値がある」恋の物語です。この絵本の対象年齢は5〜7歳で、さすが恋愛大国フランス!アーティストで孤独が好きなユリスと、犬のトリマーで子だくさんのプロスペール。ある日プロスペールは、ユリスをむりやりバレエ公演に連れて行きます。ユリスはプリマドンナに夢中になり、制作中の絵本に彼女の顔を描こうと、劇場通いをすることに。劇場では菓子売りの女性・ヴィヴィアンヌと親しくなります。孤独なユリスが愛を手に入れるまでの物語と、ユリスが制作中の物語が互いに影響を与えながら進行していく構成になっています。

 

絵が上手な人です。使っている画材は皆さんもおなじみのモノ。日本でいうクレパス、鉛筆、パステル…ごしごし描いて水性絵の具を塗り、こすりとったりして調子を出しています。デッサン力のある人なので、その線や色がキレイで、いい絵となっています。たくさんの人が描かれますが、全て特徴があり個性的。バレーを踊る女性の美しい姿、上手ですね。絵のタッチにも工夫があり、楽しみの多い、大判の絵本です。この絵本は、ナタリ・フォルティエが文章も書いています。

<翻訳の一部>  翻訳:泉 りき

第一幕
プロスペール「おい、ユリス!おれがおまえと知り合ってからというもの、魚を釣ったのをただの一度も見たことがないなぁ」
ユリス「そうかな?」
プロスペール「そうだとも。おまえさんときたら、初心者の若造みたいに、ついてないというか。こちとら、くじ引きでチケットを2枚ゲットさ。白鳥の死っていうバレエだけど、行く気ある?」
ユリス「遠慮しとくよ。古めかしい踊りなんて」

すみません、せっかくですが売り切れました。お取寄せいたします。
ただしお届けには、約1カ月かかります。あらかじめご了承ください。
お取寄せは:https://illust-euro.ocnk.net/product/491